“鉄鉢”のいろいろな読み方と例文
旧字:鐵鉢
読み方割合
てつばち46.2%
てっぱつ38.5%
てつばつ7.7%
てっぱち7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
和尚はそれを捉えて弟子が捧げている鉄鉢てつばちに入れたあとで、又念じていると屏風のうしろから一尺ばかりの小蛇こへびが這いだして来た。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
宗旨はなんだか知らないが、尼はきょうも隣り村へ托鉢に出たとみえて、片手には鉄鉢てっぱつをささげていた。片手には珠数をかけて、麻の袋をさげていた。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
口の中にかう言つて、かれは僧衣ころもの上に袈裟けさをかけて、何年ともなく押入の中に空しくころがつてゐた鉄鉢てつばつを手にして、そして出かけた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
ねおきて見ると、いつのにそこへきたか、網代あじろかさ眉深まぶかにかぶったひとりの旅僧たびそう、ひだりに鉄鉢てっぱちをもち、みぎにこぶしをふりあげて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)