“鉄棒”のいろいろな読み方と例文
旧字:鐵棒
読み方割合
かなぼう66.7%
てつぼう22.2%
てつのぼう4.4%
ピン2.2%
パイプ2.2%
ボールト2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ある者は校長に談判しようといい、ある者は阪井の家へ襲撃しゅうげきしようといい、ある者は阪井をとらえて鉄棒かなぼうにさかさまにつるそうといった。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
裏口うらぐちからはいってきた卜斎ぼくさいであった。と——一しょに、ドカドカとやりや刀や鉄棒てつぼうをひっさげた武士ぶしのすがたが、庭へあふれこんできた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鉄棒てつのぼうのはまった高い窓から、外の広い原っぱを見せてくれた時、そこを一人の人間が歩いて行くのを見て、私はアッとびっくりしてしまったのです。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
折悪しくその第七番目の鰐口わにぐちに刺さっていた鉄棒ピンが、ドウした途端はずみか六番目の炭車トロッコ連結機ケッチンかんからはずれたので、四台の炭車トロッコが繋がり合ったまま逆行して来て、丁度
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
食堂の柱へかじり付いて泣き叫ぶ奴を、下級船員が寄ってたかって、拳銃ピストル鉄棒パイプ突付つきつけてヘトヘトになるまで小突きまわして、泥棒猫でもい出すようにして桟橋へたたき出してしまった。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
四角に口が開いて、そこに五本ばかり鉄棒ボールトが植え込まれただけのもの。ご存知の方もありましょう、冬は木枯が、夏は西陽と蚊軍が自由自在に疎通するあの悩ましいフキヌケの窓。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)