“鉄槌”のいろいろな読み方と例文
旧字:鐵槌
読み方割合
てっつい42.5%
かなづち39.7%
つち2.7%
ハンマー2.7%
げんのう2.7%
てつつゐ2.7%
てっつゐ1.4%
てつつい1.4%
てつゝち1.4%
スレッジ1.4%
ハマ1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鉄槌てっついから火バナが散り、石斧いしおのからは、異様な響きとにおいが立った。不気味なこだま、キ、キ、キ……とはらわたをしぼるような何かのきしみ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝早くから鉄槌かなづちでカンカンと革を打ちつけながら、あとからあとから車輪の脂を舐めに来る犬どもを引つきりなしに追ひ立てた。
どんな気がしてるかと口惜しくって、涙が出て、思わず鉄槌つちで手を打っちまう事せえあるんで……
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
運動には徒歩競走、障碍競争、跳躍ジャンプ鉄槌ハンマー投、二人三脚その他があった。私にとっては、これはいい休息になり、最も面白かった。
おゝおゝ、如何か仕ましたか。大きな、大きな鉄槌げんのうで、黙つて坐つて居る父様の、頭を打つて幾度いくつも打つて、頭が半分こはれたので坊は大変吃驚した。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あゝ、種族の相違といふ屏擋わだかまりの前には、いかなる熱い涙も、いかなる至情の言葉も、いかなる鉄槌てつつゐのやうな猛烈な思想も、それを動かす力は無いのであらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ああ、かの広き額と、鉄槌てっつゐのごときかひな
呼子と口笛 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
王様は鉄槌てつついのやうに重いまぶたをこすりこすり、やつとこさで寝床から起きた。亭主は手ばやく上布シイツを置きかへて往つた。
鍛冶屋かぢやの男が重い鉄槌てつゝちに力をこめて、カンカンと赤い火花をとほりに散らしてると、其隣そのとなりには建前たてまへをしたばかりの屋根の上に大工が二三人しきりに釘を打附うちつけてた。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
キャラコさんは、小屋の入口まで走り出してひとつずつ鉄槌スレッジを受け取ると、四人を清水しみずのわいているところへ連れて行った。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「しましたよ。推進機スクリュウ切端きっぱしまで鉄槌ハマでぶん殴ってみましたよ。それがどうかしたんですか」
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)