“切端”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きれはし52.2%
せっぱ21.7%
きれつぱし8.7%
せつぱ8.7%
きっぱし4.3%
きれっぱし4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
扉の方へうしろ向けに、おおき賽銭箱さいせんばこのこなた、薬研やげんのような破目われめの入った丸柱まるばしらながめた時、一枚懐紙かいし切端きれはしに、すらすらとした女文字おんなもじ
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そしてその独立を失い、かつ慈善の乏しい手に暮しを頼らざるを得ないという、切端せっぱつまった地位に立つことにはならぬであろうか、と。
兩側の狹い淺い溝には、襤褸片ぼろきれ葫蘿蔔にんじん切端きれつぱしなどがユラユラした涅泥ひどろに沈んで、黝黒どすぐろい水に毒茸の樣な濁つた泡が、ブク/\浮んで流れた。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
何か自身を卑しくするやうな感じもあつたが、聴いたところで何うにもならない事も承知してゐた。よく/\切端せつぱつまつた場合の外は黙つてゐた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「しましたよ。推進機スクリュウ切端きっぱしまで鉄槌ハマでぶん殴ってみましたよ。それがどうかしたんですか」
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
切端きれっぱし反古ほごへ駄菓子をつまんで、これが目金だ、万世橋を覚えたまえ、求肥ぎゅうひ製だ、田舎の祭に飴屋が売ってるのとはたちが違う、江戸伝来の本場ものだ。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)