“懐紙”のいろいろな読み方と例文
旧字:懷紙
読み方割合
かいし52.2%
ふところがみ41.8%
ふところかみ3.0%
かみ1.5%
くわいし1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
金の吸口くちで、烏金しゃくどうで張った煙管きせるで、ちょっと歯を染めなさったように見えます。懐紙かいしをな、まゆにあてててまいを、おも長に御覧なすって
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……包みもしないで——みどりを透かして、松原の下り道は夕霧になお近いから——懐紙ふところがみに乗せたまま、雛菓子ひながしのように片手に据えた。
貴婦人はその無名指むめいしより繍眼児めじろ押競おしくら片截かたきりにせる黄金きんの指環を抜取りて、懐紙ふところかみに包みたるを
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
きっと向いて、境を見た瓜核顔うりざねがおは、ぶちがふっくりと、鼻筋通って、色の白さはすごいよう。——気のもった優しいまゆの両方を、懐紙かみでひたと隠して、大きなひとみでじっと
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
湖畔こはん里余りあまり、沿道えんだう十四あひだ路傍ろばうはなそこなはず、えだらず、霊地れいちりましたせつは、巻莨まきたばこ吸殻すいがらつて懐紙くわいしへ——マツチのえさしはして
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)