懐紙かみ)” の例文
旧字:懷紙
きっと向いて、境を見た瓜核顔うりざねがおは、ぶちがふっくりと、鼻筋通って、色の白さはすごいよう。——気のもった優しいまゆの両方を、懐紙かみでひたと隠して、大きなひとみでじっと
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
着たきぬは雪の下なる薄もみじで、はだの雪が、かえって薄もみじを包んだかと思う、深く脱いだ襟脚えりあしを、すらりと引いてき合わすと、ぼっとりとして膝近だった懐紙かみを取って、くるくると丸げて
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)