“巻莨”のいろいろな読み方と例文
旧字:卷莨
読み方割合
まきたばこ83.0%
たばこ4.3%
まきタバコ4.3%
シガレット4.3%
シガー4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「しかし、不意だからちょっと驚きましたよ。」とその洋画家が……ちょうど俯向うつむいて巻莨まきたばこをつけていた処、不意をくらった眼鏡がきらつく。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ポケットより巻莨たばこ取り出して大佐は点火しつ「閣下、た近日元老会議ださうで御座りまして、御苦労に存じます」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
着到ちゃくとうの太鼓打込みてより一日の興行済むまでは厳冬も羽織を着ず部屋にても巻莨まきタバコを遠慮し作者部屋へ座元ざもともしくは来客の方々見ゆれば叮嚀に茶を汲みて出しその草履ぞうり
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
宗匠を張る時は紋着で巻莨シガレット、色と点取発句が一斉に出来るのであるから、ついこう下駄を懐に入れるような事にもなる。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
名刺一たび入り、書生二たびでて、山木は応接間に導かれつ。テーブルの上には清韓しんかんの地図一葉広げられたるが、まだ清めもやらぬ火皿ひざらのマッチ巻莨シガーのからとともに、先座の話をほぼおもわしむ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)