“まきたばこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
巻煙草51.1%
巻莨28.9%
巻烟草8.1%
卷煙草4.4%
卷莨4.4%
卷烟草1.5%
捲莨1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「別段面白い事もないようだ。それをわざわざ報知しらせに来る君の方がよっぽど面白いぜ」と主人は巻煙草まきたばこの灰を火桶ひおけの中へはたき落す。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
面白くはやりし一座もたちましらけて、しきりくゆらす巻莨まきたばこの煙の、急駛きゆうしせる車の逆風むかひかぜあふらるるが、飛雲の如く窓をのがれて六郷川ろくごうがわかすむあるのみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
代助の巻烟草まきたばこを持った手が少しふるえた。梅子は寧ろ表情を失った顔付をして、謝絶の言葉を聞いた。代助は相手の様子に頓着なく進行した。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やがておりうがしなやかにまがつて、をとこれると、むねのあたりにつて卷煙草まきたばこは、こゝろするともなく、はなれて、婦人をんなわたつた。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しか時計とけい奈何どうしたらう、れからポツケツトにれていた手帳てちやうも、卷莨まきたばこも、や、ニキタはもう着物きもの悉皆のこらずつてつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
何時いつとほつてものぞかれて、あゝ高坂かうさかろくさんが子供こどもであつたころ、學校がくかう行返ゆきもどりにつては卷烟草まきたばこのこぼれをもらふて、生意氣なまいきらしう吸立すいたてたものなれど、いま何處どこなにをして
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「姉さんの家はどんなとこだえ。」と、弟はもう捲莨まきたばこなどをふかして、お庄に訊いた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)