“巻烟草”のいろいろな読み方と例文
旧字:卷烟草
読み方割合
まきたばこ78.6%
まきタバコ21.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
 (太吉は無言で首肯うなずく。重兵衛はすしを一つ取ってうまそうに食い、茶をのむ。旅人は巻烟草まきたばこを出して吸いはじめる。ふくろうの声。)
影:(一幕) (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
代助の巻烟草まきたばこを持った手が少しふるえた。梅子は寧ろ表情を失った顔付をして、謝絶の言葉を聞いた。代助は相手の様子に頓着なく進行した。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
殿下も待兼まちかねておはすればと促されて、まだ大尉たいいになりてほどもあらじと見ゆる小林といふ少年士官、口にくわへし巻烟草まきタバコ取りて火鉢ひばちの中へ灰振り落して語りは始めぬ。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
先生はあきれたといったふうに、私の顔を見た。巻烟草まきタバコを持っていたその手が少しふるえた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)