“巻莨入”の読み方と例文
読み方割合
まきたばこいれ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
くだんの洋風の室数まかずを建て増したもので、桃色の窓懸まどかけを半ば絞った玄関わきの応接所から、金々として綺羅きらびやかな飾附の、呼鈴よびりん巻莨入まきたばこいれ、灰皿
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分はそこにあった巻莨入まきたばこいれから煙草たばこを一本取り出して燐寸マッチの火をった。そうして自分の鼻から出る青い煙と兄の顔とを等分に眺めていた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かくても貫一はひざくづさで、巻莨入まきたばこいれ取出とりいだせしが、生憎あやにく一本の莨もあらざりければ、手を鳴さんとするを、満枝はさきんじて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)