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巻莨入
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まきたばこいれ
ふりがな文庫
“
巻莨入
(
まきたばこいれ
)” の例文
件
(
くだん
)
の洋風の
室数
(
まかず
)
を建て増したもので、桃色の
窓懸
(
まどかけ
)
を半ば絞った玄関
傍
(
わき
)
の応接所から、金々として
綺羅
(
きら
)
びやかな飾附の、
呼鈴
(
よびりん
)
、
巻莨入
(
まきたばこいれ
)
、灰皿
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分はそこにあった
巻莨入
(
まきたばこいれ
)
から
煙草
(
たばこ
)
を一本取り出して
燐寸
(
マッチ
)
の火を
擦
(
す
)
った。そうして自分の鼻から出る青い煙と兄の顔とを等分に眺めていた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
かくても貫一は
膝
(
ひざ
)
を
崩
(
くづ
)
さで、
巻莨入
(
まきたばこいれ
)
を
取出
(
とりいだ
)
せしが、
生憎
(
あやにく
)
一本の莨もあらざりければ、手を鳴さんとするを、満枝は
先
(
さきん
)
じて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「中々、
好
(
い
)
い
家
(
うち
)
だね。思ったより好い」と賞めた。代助は黙って
巻莨入
(
まきたばこいれ
)
の
蓋
(
ふた
)
を開けた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すなわち
傍
(
かたわら
)
なる
一閑張
(
いっかんばり
)
の机、ここで書見をするとも見えず、
帙入
(
ちついり
)
の歌の集、
蒔絵
(
まきえ
)
の
巻莨入
(
まきたばこいれ
)
、銀の吸殻
落
(
おとし
)
などを並べてある中の呼鈴をとんと強く、あと二ツを軽く、三ツ押すと、チン
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「
中々
(
なか/\
)
、
好
(
い
)
い
家
(
うち
)
だね。思つたより
好
(
い
)
い」と
賞
(
ほ
)
めた。代助は
黙
(
だま
)
つて
巻莨入
(
まきたばこいれ
)
の
蓋
(
ふた
)
を
開
(
あ
)
けた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一応頭の中にある挨拶を出し切ってしまうと、後はそれぎりで、
手持無沙汰
(
てもちぶさた
)
と知りながら黙らなければならなかった。主人は
巻莨入
(
まきたばこいれ
)
から
敷島
(
しきしま
)
を一本取って、あとを心持敬太郎のいる方へ押しやった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
中野君は
大島紬
(
おおしまつむぎ
)
の
袂
(
たもと
)
から
魯西亜皮
(
ロシアがわ
)
の
巻莨入
(
まきたばこいれ
)
を出しかけたが
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
巻
常用漢字
小6
部首:⼰
9画
莨
漢検1級
部首:⾋
10画
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
“巻莨”で始まる語句
巻莨