“黙”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
だま69.8%
もだ13.7%
もく8.4%
だんま2.8%
つぐ1.2%
0.9%
だまっ0.6%
だまり0.6%
だんまり0.6%
モダ0.6%
くぐ0.3%
モク0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「へえ、左様そんなもんですかな」と門野かどのは稍真面目まじめな顔をした。代助はそれぎりだまつて仕舞つた。門野かどのは是より以上通じない男である。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
法海和尚は「今は老朽ちて、しるしあるべくもおぼえはべらねど、君が家のわざわいもだしてやあらん」と云って芥子けしのしみた袈裟けさりだして
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
人びとがおのおのもくして仕事しごとをしてるのを見ると、自分はのけものにされてるのじゃないかという考えをきんずることができない。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
おぢさんはだんまりで、そばわたしまでものをいふことが出来できなかつたんだもの、なにもくらべこして、どつちがえらいともわかりはしないつて。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
哀れな瞳が狂気したやうな額の下からぢつと此方こちらを見てゐる。私は悸然はつとして乳の上を抑えた、白い手の芽も飛び出さなかつた、と思ふとぢつとつぐんだ唇が稍安心と憎悪の薄笑ひを浮べる。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ブラブラあるいていましたが、そのうちに、どこからか、船頭三人、ギーと棟梁の前へ漕いできて、どっちもンまりで乗りました
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
犬を利用する外無いからうまく行けば詰る所君の手際だ、犬に目を附け初めたのは君だから、夫にしてもやって見るまでだまって居たまえ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
多分たぶんは聞えまい、聞えなければ、そのまま通り過ぎるぶん。余計な世話だけれども、だまりきりもちっと気になったところひびきの応ずるが如きその、(はあ、わしけえ)には、いささか不意を打たれた仕誼しぎ
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
謂いつつともしをふっと消す、後は真暗まっくら、美人はつまを引合せて身を擦抜けんとすきうかがい、三吉は捕えんと大手を広げておよび腰、老婆は抜かしてよつばい、いずれもだんまり
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
長き日のモダの久しさ 堪へ来つゝ、このさ夜なかに、一人もの言ふ
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
雪深しくぐみゐたればくれなゐの月いで方となりにけるかな
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
痩人ソウジンハ地ニモクシテコク
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)