“もく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:モク
語句割合
57.8%
21.1%
7.0%
6.3%
2.3%
2.3%
1.6%
木工0.8%
木理0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
われをもくして「骨董こつとう好き」と言ふ、誰かたなごころつて大笑たいせうせざらん。唯われは古玩を愛し、古玩のわれをして恍惚くわうこつたらしむるを知る。
わが家の古玩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ハバトフはそのあいだ何故なにゆえもくしたまま、さッさと六号室ごうしつ這入はいってったが、ニキタはれいとお雑具がらくたつかうえから起上おきあがって、彼等かれられいをする。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
うなづたまひ、卷返まきかへしてたか右手めてさゝげられ、左手ゆんでべて「もく、」「は」とまをして御間近おんまぢか進出すゝみいづれば、くだん誓文せいもんをたまはりつ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みづ汲上くみあぐる釣瓶つるべおとはたおとかねこゑ神樂かぐらひゞき騷然さうぜん雜然ざつぜんげふこゑありてもくするはく、しよくおとありてきこえざるはきにいたれり。
鉄槌の音 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
鍵も一々扉や引出に準じて異なるものが用いられる。箪笥類の他に船中に安置した厨子ずしもあると聞いている。外部は主として欅を用い、それも前面は好んで「もく」を選ぶ。内部の用材は多くきりである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
班固はんこの『白虎通びゃっこつう』にいわく猴はこうなり、人の食を設け機を伏するを見れば高きにって四望す、うかがうに善きものなり、猴好んで面をぬぐうてもくするごとき故に沐猴という。
私は、子供の時代に、三番町に住んでいた清田もくという漢学の先生の塾に、毎日かよった。先生は、幕府時代には与力よりきの身分の人で、漢学には深い造詣があった。漢文の著書も数種あった。
私の歩んだ道 (新字新仮名) / 蜷川新(著)
などと言って、さすがに真正面から促すのでなく、主人あるじの注意を引こうとするようなことを言う声が聞こえた。中将の君や木工もくなどは
源氏物語:31 真木柱 (新字新仮名) / 紫式部(著)
木工もくの君は初めからこの家の女房であとへ残る人であった。中将の君は夫人といっしょに行くのである。
源氏物語:31 真木柱 (新字新仮名) / 紫式部(著)
床の間は山桑のふち、ヤチダモの板、イタヤ木理もくの落し掛け、センの天井。書院はクルミの机、カツラ木理の天井、オンコの欄間、トチの腰板、ヤシの脇壁板。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)