もく)” の例文
新字:
みなまた少時しばしもくしてしまふ。其中そのうちちやる。ドクトル、ハヾトフはみなとの一ぱんはなしうちも、院長ゐんちやうことば注意ちゆういをしていてゐたが突然だしぬけに。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
みづ汲上くみあぐる釣瓶つるべおとはたおとかねこゑ神樂かぐらひゞき騷然さうぜん雜然ざつぜんげふこゑありてもくするはく、しよくおとありてきこえざるはきにいたれり。
鉄槌の音 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
扨も越前守殿には暫時しばらくもくして居られしがやがて一同控へ居よといはれコリヤ彦三郎其方共に彼是かれこれ云込いひこめられ此越前一言もなし之に因て彦三郎へ褒美はうび
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
日出雄少年ひでをせうねん二名にめい水兵すいへいもくして一言いちげんなく、稻妻いなづま終夜よもすがらとうしにえたので餘程よほどつかれたとえ、わたくしかたわらよこたはつてる。
時がたつと復讐のねがひも消え失せ、忿怒ふんぬと嫌惡にはやる心ももくしてしまふことは有難いことである。私は苦痛と憎惡の裡にこの女の許を立ち去つた。
私はもくしてたゞあゆみを運んだ。實際じつさいなんと云ツて可いやら、些と返答へんたうくるしんだからである。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
どう打合うちあはせたやうもくしてしまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
もくの華、じやく妙香めうかう
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
ハヾトフは其間そのあひだ何故なにゆゑもくしたまゝ、さツさと六號室がうしつ這入はひつてつたが、ニキタはれいとほ雜具がらくたつかうへから起上おきあがつて、彼等かれられいをする。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
捨子々々と毎度言罵いひのゝしるは何故にやと不審氣いぶかしげたづねられ久左衞門夫婦は顏見合せ暫時しばしもくして居たりしがなみだ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼等かれら日本帝國につぽんていこくために、いまかゝ戰艇せんてい竣成しゆんせいしたとつたら、けつしてもくしてはりません、必定ひつぜう全力ぜんりよくつくして、掠奪りやくだつ着手ちやくしゆしませうが、其時そのときうごいては天下てんか無敵むてきこの電光艇でんくわうてい
殺さば殺せ覺悟なりと己れが舊惡きうあくあらはれ口を横道よこみち引摺込ひきずりこんふせがんと猶も奸智かんちめぐらしけるに忠兵衞の妻お富は長庵がいふ事を始終しじうもくして聞居たりしが眞赤まつかに成たる顏を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はれて、アンドレイ、エヒミチはもくしたまゝ財嚢さいふぜにかぞて。『八十六ゑん。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)