“掠奪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
りゃくだつ81.9%
りやくだつ6.9%
さら2.8%
ひった2.8%
かすめ1.4%
かす1.4%
かすめうば1.4%
よこど1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼等の畑は荒され、家畜は掠奪りゃくだつされた。彼等は安心して仕事をすることが出来なかった。彼等は生活に窮するより外、道がなかった。
渦巻ける烏の群 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
部落中の者をかり集めて掠奪りやくだつに来たのです。彼等は沖へ去つてゆく舟に向つて、いろいろな叫び声をなげかけました。
アフリカのスタンレー (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
「……実は、綾のことですが、今度お国のお侍で大隈という人から是非しいというので、遣わすことに承諾しましたのですが、まるで娘を掠奪さらわれるような工合で、私も実に驚きました」
掠奪ひったくられたように、向うの谷へ抛げ出された、製造場の烟突からでも出そうな、どす黒い綿のような雲が頭から二、三尺の上をうなって飛び交う。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
ゆえにこれを改めて「汝らは友を敵に交付わたして掠奪かすめに逢わしむ、しかして彼ら(友)の子等こどもは目つぶるべし」と訳する学者がある。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「先にゃあ、去年の失敗しくじりがある。よもや今年は、のめのめ掠奪かすめられるようなぼんくらを警固としては出かけまい」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
◯六節はこれを改めて「掠奪かすめうばう者の天幕は栄え、神を怒する者は安泰やすらかなり、彼らは己の手に神を携う」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「だが、途中であの二本差りゃんこ蜥蜴とかげに、掠奪よこどりされちゃ、あぶ蜂だ」と、十人ばかりの博労が、羽村の留と、お稲のまわりを取りかこんで、近道の団栗坂どんぐりざかを下って送っていった。
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)