“ひった”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引立71.8%
匹田12.8%
疋田7.7%
掠奪5.1%
剥奪2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、何処でかキャンキャンと二声三声犬の啼声がする……きっと耳を引立ひったって見たが、もう其切それきりで聞えない。隣町あたりでかじけたような物売の声がする。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
必死にもがく萩乃、匹田ひったの帯あげがほどけかかって、島田のほつれが夜風になびき、しどけない美しさ。乱れた裾前に、処女むすめの素足は、夜目にもクッキリと——。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
大小無数の疋田ひったの鹿の子絞りで埋めてあるだけに、疋田の粒と粒とは、配し合い消し合い、ち合って、量感のヴァイヴレーションを起している。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
あの動物的な、掠奪ひったくるような要求には——それに慣れるまで、彼女は幾度か死を決したことだったろう。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それともカチヤを餌に、人間の食うものも食わ無えで溜めた黄色い奴を、思うざま剥奪ひったくってくれようか。
かんかん虫 (新字新仮名) / 有島武郎(著)