“暫時”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ざんじ36.6%
しばらく33.2%
しばし22.4%
しばら5.1%
すこし1.0%
ちっとのま0.7%
しまし0.3%
ちいと0.3%
ちつと0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
暫時ざんじでも外国のことを目から離すと、とかくわが国の今日のありさまをもってすでに文明の極に達しているかのごとくに感じやすい。
民族の発展と理科 (新字新仮名) / 丘浅次郎(著)
詳しい話をしようとするつもりだったが、唇が震えて云えなかった。一郎は蓙の上にうつぶせに身を倒したきり、暫時しばらくは動かなかった。
九月一日 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
『おまへ亞尼アンニーとかつたねえ、なんようかね。』とわたくししづかにふた。老女らうぢよむしのやうなこゑで『賓人まれびとよ。』と暫時しばしわたくしかほながめてつたが
……「一体何処に何うしているんだろう?」と、また暫時しばら其様そんなことを思い沈んでいたが、……お宮も何処かへ行って了うと、言う。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
暫時すこしも早う重ねさせたき親心、御苦勞でも學校まへの一寸の間に持つて行つて呉れまいか、定めて花も待つて居ようほどに、と母親よりの言ひつけを、何も嫌やとは言ひ切られぬ温順しさに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
丁 さう彼方此方あッちこッちることは出來できんわ。(一同に對ひ)ささ、はたらいたはたらいた。暫時ちっとのまぢゃ、はたらいた/\。さうして長生ながいきすりゃ持丸長者もちまるちゃうじゃぢゃ。
吸入器の湯気のさはりの頬にゆくいくたびか拭きてなほ暫時しましあり
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
乳母 おゝ、辛度しんど! 暫時ちいとまァやすましてくだされ。あゝ/\、骨々ほね/″\いたうていたうて! ま、どのくらゐほッつきまはったことやら!
ためるがよい己も其中後より行んと彼の兩人の着類を剥取はぎとり惣内お里へ着替きかへさせ跡の始末は斯々と耳に口よせさゝやきつゝ暫時ちつとはやく立去れと指揮に點頭うなづき夫婦の者は先刻さつきぬすみし九助の金の遣ひ殘りを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)