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暫時
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しばら
ふりがな文庫
“
暫時
(
しばら
)” の例文
……「一体何処に何うしているんだろう?」と、また
暫時
(
しばら
)
く
其様
(
そん
)
なことを思い沈んでいたが、……お宮も何処かへ行って了うと、言う。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
それから二人は
暫時
(
しばら
)
く無言で歩いていると先へ行った川村の連中が、がやがやと騒ぎながら帰って来たので、一緒に連れ立って宿に帰った。
恋を恋する人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
致すと尋ねられしに勘兵衞ハツと
云
(
いひ
)
し
切
(
きり
)
暫時
(
しばら
)
く
返答
(
へんたふ
)
出來ざりしが
漸
(
やうや
)
く
季節
(
とき
)
の物を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
倉蔵は目礼したまま大急ぎで庭の方へ
廻
(
ま
)
わった。村長は腕を組んで
暫時
(
しばら
)
く考えていたが
歎息
(
ためいき
)
をして、自分の家の方へ
引返
(
ひっかえ
)
した。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
れたならば市之丞が折角の
志
(
こゝろ
)
ざしも通り
又
(
また
)
貴郎
(
あなた
)
の御義心も
貫
(
つらぬ
)
くと申もの
双方
(
さうはう
)
の御趣意も立て宜く候まゝ是非々々
然樣
(
さやう
)
に
成
(
なさ
)
れよと申ければ文右衞門は
暫時
(
しばら
)
く考へしが成程是は
其方
(
そなた
)
の申通り一時の
融通
(
ゆうづう
)
に此金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
暫時
(
しばら
)
くすると
箱根
(
はこね
)
へ
越
(
こ
)
す
峻嶺
(
しゆんれい
)
から
雨
(
あめ
)
を
吹
(
ふ
)
き
下
(
おろ
)
して
來
(
き
)
た、
霧
(
きり
)
のやうな
雨
(
あめ
)
が
斜
(
なゝめ
)
に
僕
(
ぼく
)
を
掠
(
かす
)
めて
飛
(
と
)
ぶ。
直
(
す
)
ぐ
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
の
草山
(
くさやま
)
を
灰色
(
はひいろ
)
の
雲
(
くも
)
が
切
(
き
)
れ/″\になつて
駈
(
はし
)
る。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
少女は此二階家の前に来ると
暫時
(
しばら
)
く
佇止
(
たちどま
)
って居たが、窓を見上げて「
江藤
(
えとう
)
さん」と小声で呼んだ、窓は少し
開
(
あい
)
ていて、薄赤い光が煤に
黄
(
きば
)
んだ障子に映じている。
二少女
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
舟は
暫時
(
しばら
)
く大船小船六七
艘
(
さう
)
の間を縫ふて進んで居たが間もなく廣々とした沖合に出た。月は益々冴えて秋の夜かと思はれるばかり、女は
漕手
(
こぐて
)
を
止
(
とゞ
)
めて僕の傍に坐つた。
少年の悲哀
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
一寸
(
ちよつと
)
お待ち下さい、少し心当りがありますから。」と言ひ捨てゝ室を去つた。
暫時
(
しばら
)
くして
立還
(
たちかへ
)
り
空知川の岸辺
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
と
親父
(
おやぢ
)
さん
開
(
あ
)
いた
口
(
くち
)
が
塞
(
ふさ
)
がらない。
暫時
(
しばら
)
く
我兒
(
わがこ
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
つめて居たが『それはお
前
(
まへ
)
、
本氣
(
ほんき
)
か。』
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
そこで直ぐは帰らず山内の
淋
(
さ
)
むしい所を
撰
(
よ
)
ってぶらぶら歩るき、
何時
(
いつ
)
の間にか、丸山の上に出ましたから、ベンチに腰をかけて
暫時
(
しばら
)
く
凝然
(
じっ
)
と品川の沖の空を
眺
(
なが
)
めていました。
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
佳
(
い
)
い
心持
(
こゝろもち
)
になつて、
自分
(
じぶん
)
は
暫時
(
しばら
)
くぢつとして
居
(
ゐ
)
たが、
突然
(
とつぜん
)
、さうだ
自分
(
じぶん
)
もチヨークで
畫
(
か
)
いて
見
(
み
)
やう、さうだといふ一
念
(
ねん
)
に
打
(
う
)
たれたので、
其儘
(
そのまゝ
)
飛
(
と
)
び
起
(
お
)
き
急
(
いそ
)
いで
宅
(
うち
)
に
歸
(
か
)
へり、
父
(
ちゝ
)
の
許
(
ゆるし
)
を
得
(
え
)
て
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「うん……」と細川は
暫時
(
しばら
)
く考えていたが、「お梅さんに宜しく言っておくれ」
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
佳
(
い
)
い心持になって、自分は
暫時
(
しばら
)
くじっとしていたが、突然、そうだ自分もチョークで画いて見よう、そうだという一念に打たれたので、そのまま飛び起き急いで
宅
(
うち
)
に帰えり、父の
許
(
ゆるし
)
を得て
画の悲み
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
先
(
ま
)
づ二
臺
(
だい
)
の三
等車
(
とうしや
)
、
次
(
つぎ
)
に二
等車
(
とうしや
)
が一
臺
(
だい
)
、
此
(
この
)
三
臺
(
だい
)
が一
列
(
れつ
)
になつてゴロ/\と
停車場
(
ていしやぢやう
)
を
出
(
で
)
て、
暫時
(
しばら
)
くは
小田原
(
をだはら
)
の
場末
(
ばすゑ
)
の
家立
(
いへなみ
)
の
間
(
あひだ
)
を
上
(
のぼり
)
には
人
(
ひと
)
が
押
(
お
)
し
下
(
くだり
)
には
車
(
くるま
)
が
走
(
はし
)
り、
走
(
はし
)
る
時
(
とき
)
は
喇叭
(
らつぱ
)
を
吹
(
ふ
)
いて
進
(
すゝ
)
んだ。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
意外なのは
暫時
(
しばら
)
く
会
(
あわ
)
ぬ中に
全然
(
すっかり
)
元気が衰えたことである、元気が衰えたと云うよりか殆ど我が折れて了って貴所の
所謂
(
いわゆ
)
る富岡氏、極く世間並の物の能く
通暁
(
わかっ
)
た老人に
為
(
な
)
って了ったことである
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
父は
暫時
(
しばら
)
く腕組をして考えて居ましたが、
徐
(
おもむ
)
ろに顔を上げて
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
『
此處
(
こゝ
)
で
又
(
また
)
暫時
(
しばら
)
く
待
(
ま
)
たされるのか。』
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
暫時
(
しばら
)
く誰も黙っていたが
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
暫
常用漢字
中学
部首:⽇
15画
時
常用漢字
小2
部首:⽇
10画
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