“貴郎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あなた96.5%
あなたさま1.2%
あんた1.2%
ひと1.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ああ左様で、それはそれは。……お梅さんお梅さん向うへ行っておいで。……さあさあ貴郎あなた遠慮はいらない。おかけなすって、おかけなすって」
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「先生、何です御わかりになりませぬ——まア驚いたこと——先生、貴郎あなたを教会からひ出す相談のあるのをだ御存知ないのですか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
このやうのお人達ひとたちみな貴郎あなたさまの御友達おともだちかとおもひますれば、うれしさむねなかにおさへがたく
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「あら、貴郎あなたも新聞を読んだくせに。先晩劇場しばいの幕間にあんなに詳しく読んだではありませんか。それに今朝だって発つ前にも……」
貴郎あなた、そんな身装みなりをしてお隣家となりへ往つてらしたんですか。襟飾ネクタイもつけないで、何てまあ礼儀を知らない方なんでせう。」
其れから間もなく御新造様は御亡おなくなり、貴郎あなたさまは伯母御様に手を引かれなさつて、粟野の奥へ行かしやる、——何でも長左衛門様の讐討かたきうたんぢやならねエと言ふんで
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
百姓共の為めにお果てなされた長左衛門様の御恩を忘れてはならねえと、若い者等に言うて聴かせることで御座りまする——ぢやあ、貴郎あなたさまたしかに長二様とおつしやりました坊様で、イヤ、どうも立派な男に御成りなされました
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
御丁寧な御挨拶ごあいさつ、すると旦那、貴郎あなたさまだ、其時丁度ちやうど十二三の坊様が、長い刀を持ち出しなされて、とつちやんの復讐かたきうちに行くと言ひなさる、其れを今の粟野あはのに御座る伯母御様が緊乎しつかり抱き留めておすかしなさる——イヤもう
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「私は駄目でごす……」と涙の込み上げて来るのを押へて、「私ア、とても貴郎あんたの真似は出来ねえでごす。一体、もうこんな体格からだでごいすだで」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「根本………御座らしやるとも、根本ていのア、塩山では一等の丸持大尽まるもちだいじんでごわすア」と答へて、更に、「で貴郎あんたア、根本さアとけ御客様おきやくさんかね」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
貴郎あんたさアも見て御座らしやつたゞか、火事が、はア、毎晩のやうにあつて、物騒で、仕方がえものだで、村で、割前で金のう集めて、やうやく東京から昨日喞筒が出来て来ただア」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「おやおやそんな事がございましたかな。五年前の郡上様ぐじょうさまといえば、名与力としてうたわれたものだ。その貴郎ひとの手に余ったといえば、いよいよもって偉い奴でござるな。……おや、つつみ駕籠かごが行くそうな。提灯の火が飛んで行く」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)