“あなた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アナタ
語句割合
貴方33.3%
貴女20.2%
貴下9.6%
彼方9.3%
貴郎8.3%
貴君6.0%
貴嬢2.0%
貴僧1.0%
貴客1.0%
貴所0.9%
貴老0.8%
貴官0.8%
貴孃0.7%
貴様0.6%
貴殿0.5%
良人0.5%
貴男0.4%
貴娘0.4%
貴公0.3%
那方0.2%
夫人0.2%
貴兄0.2%
貴夫0.2%
貴姉0.2%
貴樣0.2%
彼岸0.2%
所天0.2%
郎君0.2%
和君0.1%
我夫0.1%
貴辺0.1%
下男0.1%
主公0.1%
和女0.1%
和郎0.1%
尊宅0.1%
彼女0.1%
御僧0.1%
殿下0.1%
話者0.1%
課長0.1%
貴丈0.1%
貴処0.1%
貴坊0.1%
貴婦人0.1%
貴翁0.1%
閣下0.1%
阿郎0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ハツ/\うも御親切ごしんせつ有難ありがたぞんじます、何卒どうか貴方あなたたくかへつてくださいまし。金「かへらんでもいからおあがりな、わつしの見てめえで。 ...
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
頬邊ほつぺたは、鹽梅あんばいかすつたばかりなんですけれども、ぴしり/\ひどいのがましたよ。またうまいんだ、貴女あなたいしげる手際てぎはが。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……けれども貴下あなたは、そんな事は仰言おっしゃらぬでしょう。……ああ……本当にして下さる。信じて下さる、……ありがとう。ありがとう。
死後の恋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と、その時、空地の彼方あなた、遙か西南の方角にあたって一点二点三点の灯が闇を縫ってユラユラ揺れたが次第にこっちへ近寄って来た。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さあそいつは……そいつはどうも……それより一体貴郎あなた様は、どうして何のために彼女を訪ねて、わざわざおいでなすったんで?」
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それは貴君あなたが下宿屋でなさる事も出来ます。先ず林檎の皮をいて小さく切ってしんって鍋へ入れますが水は少しもりません。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ナゼそんな処にたっているのです、ズット奥へお通りなさい。今も婆やを貴嬢あなたの処へ上げてお昼の副食物おかずを伺おうと思っていた処です。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
白「道徳高き名僧智識は百年先の事を看破みやぶるとの事だが、貴僧あなたの御見識誠に恐れ入りました、きましてわたくしが済まない事が出来ました」
貴客あなたこそ御退屈でしょう。失礼ですけども私が只今ただいま珈琲こーひーせんじて別に珈琲ケーキをこしらえますから少々お待ち下さいまし
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
梅子はホヽ笑みぬ「親の権力も子の意思に関渉することの出来ないのは、貴所あなた、只今御説明なされたでは御座いませぬか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「私は却って、その顔も見ないから、ちっとも夢のように思われんでなお困る。幸ひ貴老あなたが見えてから、あの苦しむのが聞えないから……」
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「異なことを伺うもんだ。すると貴官あなたがたは、私がクラブから脱けだしてこの邸へ帰って来て兄貴を殺した、それを白状しろというんですか」
地獄の使者 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もよほまことに驚き入たる御志操おこゝろざしなれども夫よりは貴孃あなた御縹緻ごきりやうなれば御縁の口は何程も有るべし我等かねたのみおきたればまづまち給へと云ふにいな縁付も氣兼きがねが否なれば氣樂きらくに遊女奉公を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
拍子ひやうしの悪いことには梅子さんの三歳みつの時に奥様がおなくなりになる、それから今の奥様をお貰ひになつたのですが、貴様あなた、梅子さんも今の奥様には随分ひどい目にお逢ひなさいましたよ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
貴殿あなたが見えられないし、退屈でたまらないから、若党をれて、眺望のい処へ参ろうと思い、この下の谷の処まで来るとこのあんが眼にき、貴殿きでんのことを思いだして
竈の中の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
清「それだって良人あなた、これに頼むより他に仕方がございません、それに右内は家出をする時、うちのお金を廿金持って逃げておいでだよ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
アレは、新田さん、貴男あなたひそかに作つて生徒に歌はせたのだと云ふ事ですが、眞實ほんとですか。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
見て彼の旅人は驚きたる樣子にて小聲になり貴娘あなたはお花樣にては無きや如何のわけで此家にと云れてお花は薄暮うすぐらければ面貌おもざしは知れざれど我が名を呼は不審ふしんなりと彼の旅人の顏を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すまぬ事熟々よく/\御改おあらためなされよと申にいくらさがしても一向御座らぬと云時いふとき宿やどの亭主は若々もし/\貴公あなたすその下から何かひもが見えます夫ではなきやといはれて夫はと云ながら客人は内懷中うちぶところへ手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
那方あなたに此方なる賤機山しづはたやまを心指て行手は名に負駿河の府中午刻まひるも過て巴河ともえがはおとにぞ知るゝ濱續はまつゞき清水久能くのうは右の方は左にとりて富士見山しげる夏野の草薙くさなぎの宮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
と気を着けられて、照子はほっと呼吸いき、「夫人あなた、この間のね、秀の祖母様ばあさんというのはたしか。」「黒瀬ぬい。それがどうしましたえ。」と懸念げなり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『さうぢや無いんですけど。』と繰返して、『どう貴兄あなたの居るうちに、何とか決めなけやならない事よ。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「へえ? それは不思議だ。あたくしはまた、貴夫あなたのお客さまだから、あなたが御存じだと思いましたよ。」
現時の不正なる勢力のうちに取り囲まれて居なさるのです、何故なぜ、姉さん、貴姉あなたは之を打ち破つて、幾百万の婦女子を奴隷どれいの境遇から救ふべき先導をなさいませんか、神聖なる愛情を殺して
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
じつ今日けふねがひがあつてお邪魔じやまました。これは手前てまへ愚息せがれ御座ございます、是非ぜひ貴樣あなたのお弟子でしになりたいと本人ほんにんのぞみですからつれまゐりましたが、ひと試驗しけんをしてくださいませんか。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
日本の憂鬱いううつな十月のよる彼岸あなた
北原白秋氏の肖像 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
礼ちゃんが新橋の勧工場かんこうばで大きな人形を強請ねだって困らしたの、電車の中に泥酔者よっぱらいが居て衆人みんなを苦しめたの、真蔵に向て細君が、所天あなたは寒むがり坊だから大徳で上等飛切とびきりの舶来のシャツを買って来たの
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
到底たうてい自分は此の苦境を逃がれることの出来ぬ何等過去の業果と思ふから、此の肉体をば餓鬼がきの如き男子の飜弄ほんろうに一任するが、かし郎君あなた良人をつとと思ふ心にかつて変動を見たることの無いのは
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
進めモシ若旦那樣和君あなたは今人立多き花見の場所ばしよへ立寄もしも災難にあは無上こよなき親不幸おやふかうと仰あれど夫は夫れ其一を知て其二を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
サヽ其所に一つのお話しあればこゝろしづめてお聞なされ和君あなたは此家の一粒種つぶだね何萬兩といふ身代しんだい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
どうするにも、かうするにも、我夫あなた、てんで訳が解つたもンぢやありませんやネ、女がなまなか学問なんかすると彼様あんなになるものかと愛想が尽きますよ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
我夫あなた仮睡たぬきなどキメ込んでる時ぢやありませんよ、一昨日をとゝひもネ、わたし、兄の所で松島さんにお目に掛かつてチヤンと御約束して来たんです、念の為と思つたから
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
こいつがされては百年目、ひょいと立って退すさったげな、うむと呼吸いきを詰めていて、しばらくして、そっと嗅ぐと、ぷんと——貴辺あなた
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……と申すがやはり、貴辺あなたにお目にかかりましてからの分別で。ぱっと美しいもので目がくらみました途端には、ただ我を忘れて
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
僕と君とそれから下男あなたと、そしてこの大小二つの石と、合計しただけの重量が、一層正確に云えばいまこの白鮫号に乗っかっているだけの重量と同じだけの重量が、そうだ
死の快走船 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
でもひいひい泣きまして耳の遠い私でも寝られませんし、それに主公あなた、二日もああしてうつばりに釣上げて置いちゃあ死んでしまうじゃございませんか。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「何ですねえ、邪険な、和女あなたを待っていたんですよ。来がけに草深へも寄ったのよ。一所に連れて行って欲しいと思って。——さあ、それでは行きましょうね。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夫では和郎あなたはあの所とちがつて上野か向島「イヤ矢張やつぱり行先は王子にてしかも音羽へ出て行くつもり「ヲヤ/\夫では昨日きのふおなじだとふさ丁稚でつちに錢を ...
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それでも何かお瀧と云うものを尊宅あなたへお連れ帰りなすって、目を掛けお使いなすった処が、其の者が案外盗賊どろぼうで、これこれいうお尋ね者ゆえ、あゝ云う死様しにようをするのも天罰だと仰しゃったが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
……つまり何んです、何んでもないので、彼女あなた——私の奥さんですが、家出をしてしまったのでございますよ……
奥さんの家出 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
(お心はお察し申しますが、一つ棟にお住いの事は、姉がどう思うか、分りかねます。御僧あなたをお好き申して助けましたか。可厭いやで助けましたか。私には分りませんから。)
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「どうして殿下あなたは、今日のような御身分になられましたか。何か立身出世の秘訣ひけつでもございますか」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
主人中将の目はまばたきもせずしばし話者あなたおもてを打ちまもりぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
課長あなたの頓死といわれるのははからずして自分だけで偶然の死を招いたという意味でしょうが、しかしそれに死ぬような原因をよそから与えた者があれば、それはやはり他殺なんですからネ」
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
隨而小弟にも無異かはりなく罷在、當分は宿替やどがへにて獨居いたし、間々まゝ夢中には貴丈あなたに御逢申上候。偖大變到來仕、誠に紅涙にまみれ、心氣絶々たえ/″\に罷成、悲憤の情御察可下候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
第一貴処あなた、困る事には此役に立たない商業学校の卒業生が学校を出れば一廉ひとかどな商業家になつた気でゐる、高等商業学校を初めとして全国に商業学校が各府県に一つづゝある
青年実業家 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
お前達の来る所じゃないと言うてしかりつけますと、なーに私は貴坊あなたがたが三年の間煙管きせる一本について大論判おおろんばんをやって居るのがあまり気の毒でたまらない、ついてはこの煙管を貴坊あなたがたにあげますから
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
それに焦茶の肩掛ショオルをしたのは、今日あたりの陽気にはいささかお荷物だろうと思われるが、これも近頃は身躾みだしなみの一ツで、貴婦人あなた方は、菖蒲あやめが過ぎても遊ばさるる。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
貴翁あなたがおいへ重代じゆうだいの、小刀こがたなを、雪様ゆきさまにおくださいまし。」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「死にたくない、死にたくない、私が死んだら、このはどうして育つでしょう、それに阿郎あなたも、阿郎も」
前妻の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)