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貴殿
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あなた
けれども
貴殿がそういふことを
申されるのも
要之、
僕が一の
小さな
小學校の
出身であることを
誇るとか、
感謝するとか
言ふのは
貴殿が見えられないし、退屈でたまらないから、若党を
伴れて、眺望の
佳い処へ参ろうと思い、この下の谷の処まで来るとこの
庵が眼に
注き、
貴殿のことを思いだして
勵まし餘りと
云ば長庵殿
眼前此程料理屋の二階にて
貴殿の
頼みに任せ手渡し爲したる五十兩を
「小次郎の
鋩子尖が
貴殿の眉間を傷つけたそうで御座るが」
「それこそ弘法大師様でございます、
貴殿は悪いことをなさいました」
大切に致せよと
云捨て奧へ行んと爲るを吉三郎最早
堪兼利兵衞が
裾を
捕へ何故
然樣の事を申され候や此身になりても
御無心に參りしには非ず
貴殿には我が父より
御頼み申せしことを忘れ給ひしやと
詞を
なるほど
能く
解りました、
日の
出は
力です、
美です、そして
實に
又希望です、
僕は
貴殿が
大島小學校の
出身であることを
感謝し、
誇らるゝことを、
當然と
思ひます。
「
貴殿は、どこか、このあたりのお寺に
御逗留になっておりますか」
同者
實と思ひ私は
相摸領御殿場の者にて
小前の百姓條七と云者だが
上田が六石三斗中田が七枚半山が七ツ
有ば
親子三人
暮故十日や廿日は
麥飯さへ
承知なれば
貴殿一人位は苦にはせぬ其中に何
商ひでもするか但しは
又奉公にでも出るかよも死ぬには
増で有うから
己が
在所へ御座れと
深切に云ければ九郎兵衞夫は