“堪兼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たまりか38.5%
たえかね15.4%
たへか15.4%
たへかね7.7%
こらへかね7.7%
たえか7.7%
たへがね7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一時餘いつときあまりちぬれどもでよとはのたまはず、はただしたまふべき樣子やうすもなし。彼者かのもの堪兼たまりかねて、「最早もはや御出おだくださるべし、御慈悲ごじひさふらふ」とたてまつる。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
主人ながら友達ともだち共思ふ仲よしのかうはいつた物の、言過て病にさわりはせぬかと今更冷汗色をかえての心配顏、嬉敷うれしいに附我身のかひなさ堪兼たえかねて夜着に顏差入て忍なき
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
つきかげかげともしびかげゆきはな朧々おぼろ/\のあかりにも、かげのないひまはなし……かげあれば不氣味ぶきみさ、可厭いやさ、可恐おそろしさ、可忌いまはしさに堪兼たへかねる。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
するぞて藤兵衞が所持しよぢの脇差を如何の譯で汝ぢが手にいりたるぞサア/\其譯そのわけ白状すべしと問詰とひつめられて彌十は苦痛くつう堪兼たへかねとても免れぬ處と覺悟を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大切たいせつに致せよと云捨いひすてて奧へ行んと爲るを吉三郎最早堪兼こらへかね利兵衞がすそとらへ何故然樣さやうの事を申され候や此身になりても御無心ごむしんに參りしには非ず貴殿あなたには我が父より御頼おたのみ申せしことを忘れ給ひしやとことば
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
然るにわたくしの家には、折々下女さえいない時がある。下女がいなければ、隣家へ饋ればよいという人があるかも知れぬが、下女さえさびしさに堪兼たえかねて逃去るような家では、近隣とは交際がない。
西瓜 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
抱せ海老ゑびに掛らるゝ事既に十三度に及び皮肉ひにく切破きれやぶほねくだくるばかりの苦痛くつう堪兼たへがね是非なく無實の罪におちし所此度是なるさい節恐れ多くも松平縫殿頭樣へ御駕籠訴かごそ仕つりしより江戸おもてへ召出され再應さいおうの御吟味ぎんみあづかること有難仕合に私し風情ふぜいの女房が願を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)