“堪忍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんにん86.6%
かに9.4%
がまん2.0%
たえしの0.7%
たへしの0.7%
たまつ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
スタニスラウスは先づ心配げな顔に、堪忍かんにんの表情を蓄へられる丈蓄へて、矢張さつきの肩の運動を繰り返して、溜息を衝いて云つた。
祭日 (新字旧仮名) / ライネル・マリア・リルケ(著)
その悲鳴がまた、じっと耳を澄ましていると、「堪忍かにしてくれエ!」というのではなく、「助けてくれエ!」というようである。……
鉄に謝罪るわけはないが親方の一言に堪忍がまんして私も謝罪りに行きましたが、それからおつなものでいつとなく鉄とは仲好しになり
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
宜いから待ち給え、妹さんにはお気毒きのどくだが、もう数時間この苦痛を堪忍たえしのんで貰わなければならぬ、この事件は生やさしい問題ではない。
亡霊ホテル (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
一歩いちぶに、のかはをかれたために、最惜いとしや、おあき繼母まゝはゝには手酷てひど折檻せつかんける、垣根かきねそとしたで、晝中ひるなかおびいたわ、と村中むらぢう是沙汰これざたは、わかをんな堪忍たへしのばれるはぢではない。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おや兄弟きやうだいもないぼくには、こんなばんすこぶ感心かんしんしないので、おまけに下宿住げしゆくずまひ所謂いはゆる半夜燈前十年事、一時和雨到心頭といふ一けんだから堪忍たまつたものでない
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)