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彼者
問ふ寶澤
答て我は徳川
無名丸と申す者なり
繼母の
讒言により斯は
獨旅を致す者なり又其
許は何人にやと
尋ね
返せば
彼者芝原へ手を
かくて直ちに清兵衛が嫡子を召され、御前において
盃を申付けられ、某は
彼者と互に意趣を存ずまじき
旨誓言いたし候。
幸ひ
奴を殺し
彼者が勝し五百兩の金を奪ひ取んと心
懸先へ廻つて
鷲の宮の
杉林に身を
隱し金兵衞の來るを今や
遲しと待懸たり金兵衞は
斯るべしとは
夢にも知ず
慈恩寺村にて打勝し五百兩を
懷中し
小歌を