“彼様”のいろいろな読み方と例文
旧字:彼樣
読み方割合
あん37.5%
あんな31.3%
あゝ10.9%
ああ9.4%
かよう3.1%
あねえ1.6%
あんねえ1.6%
あげ1.6%
あのやう1.6%
こう1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
屹度何時までも乃公を此処に入れて置こうと思って、何時までも癒らないでいるだろう。彼様あんな悪い友達を持つと本当に困ってしまう。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
猪子いぬしゝしてママおほきなものよ、大方おほかたいぬしゝなか王様わうさま彼様あんな三角形さんかくなりかんむりて、まちて、して、わたし母様おつかさんはしうへとほるのであらう。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
まあ、始めてです、彼様あゝいふ御話を伺つたことは。あの白隠が恵端禅師のところへ尋ねて行く。あそこのところが私は気に入りました。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
なんにも欲しかないが、先方むこう彼様ああ用心すると、此方こっちでも何かつまんでやり度くなる。お前は豪いよといわれると、何だか豪いような心持になる。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
貴公などは今の身の上で彼様かような席へ来て遊女狂いをする事が武田へでも知れるとすぐにしくじる、内聞に致すから帰らっしゃい
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「お前の死んだ父親てておやという人は、彼様あねえな真似大嫌いでのう。あの人が野良へ出たあとでは、わしは只の一度だって、旦那の話相手になんかなったことねえだよ」
麦畑 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
何故なんで彼様あんねえ目のかたきにしるだんべえ?」と椋は不審に思つて、出来るだけ娘をいたはつてつてゐた。
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
「アハハハ。よっぽど恐ろしかったばいなあ。もう彼様あげな目にゃ会わせん。きょうはちょっと礼言いに来た」
私の様な不束ふつつかな者が、彼様あのやうな偉い方の妻となりたいなど思ふのは、身の程を知らぬものと悟りましてネ、其れに彼人は既に家庭の幸福など云ふ問題は打ち忘れて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
のみのような男、しらみのような女が、何様どう致した、彼様こうつかまつった、というが如き筋道の詮議立やなんぞに日を暮したとて、もっとも千万なことで、其人に取ってはそれだけの価のあること
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)