“あゝ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
嗚呼33.3%
25.7%
彼様6.7%
6.7%
彼樣6.7%
5.7%
嗟乎1.9%
1.9%
嗚呼戯1.9%
1.9%
吁々1.0%
呼呵1.0%
嗟吁1.0%
嗟呼1.0%
如彼1.0%
1.0%
那如1.0%
那麽1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
市民と市吏と警察吏とが豹変常なき新聞記者を中間にして相互の欠点を狙ひ合つてゐる気味悪い都会。その片隅に嗚呼あゝ自分のいへがある。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
いたく、性命を尊みて、これより、我より、當來より、なに物か、えまほしく、求めてやまず……あゝ、人は、當來に、豐なるたまものを望む。
彼様あんなことをおっしゃる、悋気などはございません、何時いつでも往って来い、彼様あゝやって心中する処を旦那のお蔭で助かったのだから、浪島の旦那がお前を
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
尊い上人様の御慈悲は充分了つて居て露ばかりも難有う無は思はぬが、あゝどうにもかうにもならぬことぢや、相手は恩のある源太親方、それに恨の向けやうもなし
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
『ほんとはそれ許りぢやありませんの。若しか先生が、私に彼樣あゝ言つて置き乍ら、御自分はおりにならないのですと、私許り詰りませんもの。』
葉書 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
私は小鹿野をかのの奥の権作ごんさくと申しますもので、長左衛門様には何程どれほど御厚情をかうむりましたとも知れませぬ、——さわぎで旦那様はあゝした御最後——が
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
嗟乎あゝをしむべし、かゝる美人びじんこの辺鄙へんひうまれ、昏庸頑夫こんようぐわんふの妻となり、巧妻こうさいつね拙夫せつふともなはれてねふり、荊棘けいきよくともくさらん事あはれむたえたり。
知る者もまれなりと雖もまた不開化ふかいくわなどといふ者もあらんかあゝつゝしむべしといふくちまたつゝしむべし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
嗚呼戯あゝ——と私は吐息を衝きながら、何と夥しい不孝を感じながらも、その単に飽くまでも生真面目さうに一方ばかりを睨んだまん丸い眼玉、陰影の無い武張つた大面
熱海線私語 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
殊更に自分の歡心を買はうとすることろが見える。『あゝした性質の人だ!』と智惠子は考へた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
吁々あゝに非ず、何處いづこまでの浮世なれば、心にもあらぬつれなさに、互ひの胸の隔てられ、恨みしものは恨みしまゝ、恨みられしものは恨みられしまゝに、あはれ皮一重ひとへを堺に
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
思ひ胸に迫りて、吁々あゝ太息といきに覺えず我れにかへりてかうべぐれば日はなかば西山せいざんに入りて、峰の松影色黒み、落葉おちばさそふ谷の嵐、夕ぐれ寒く身にみて、ばら/\と顏打つものは露か時雨しぐれか。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
呼呵あゝ淺猿あさましきは人欲じんよくなり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
嗟吁あゝ人生の短期なる、昨日きのふの紅顔今日けふの白頭。忙々促々として眼前の事に営々たるもの、悠々いう/\綽々しやく/\として千載の事をはかるもの、同じく之れ大暮の同寝どうしん。霜は香菊をいとはず、風は幽蘭をゆるさず。
富嶽の詩神を思ふ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
嗟呼あゝ。』とさけんだまゝわたくし日出雄少年ひでをせうねん其他そのた水兵等すいへいら茫然自失ぼうぜんじしつした。
そしてまだ如彼あゝれてはさむいだらう、つめたいだらうと、さきのやうにあめれてびしよ/\くのをるとどくだつたり、つりをしてひとがおもしろさうだとさうおもつたりなんぞしたのが
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あげし方が足下そくかの家の息子むすこなりしかとは知ねども容姿みなりもよく若きに似氣にげなく物柔ものやはらか折屈をりかゞみき人なればむすめもつは早くも目が附き何處いづこの息子か知ざれど美男びなんの上に温順おとなしやとおなじ事ならあゝいふ人に娘を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「阿父さんが那如あゝしてゐたんぢや、幾ら稼いだツて到底とても遣切れやしないわ。いツそもう家を飛出して了はうかも思ふこともあるけれども……」
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
那麽あゝいふ男は、今の時世ぢや全く珍しい。』と主筆が鷹揚に嘴をはさんだ。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)