トップ
>
噫
>
あゝ
ふりがな文庫
“
噫
(
あゝ
)” の例文
手
(
て
)
を
見
(
み
)
ると
竦
(
ぞつ
)
とする。
鱗
(
こけ
)
のある
鉛色
(
なまりいろ
)
の
生物
(
いきもの
)
のやうに、
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
にそれが
動
(
うご
)
いてゐる。
噫
(
あゝ
)
、
切
(
き
)
つて
了
(
しま
)
ひたい。
此手
(
このて
)
の
触
(
さは
)
つた
所
(
ところ
)
も
忌
(
いま
)
はしい。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
いたく、性命を尊みて、これより、我より、當來より、なに物か、えまほしく、求めてやまず……
噫
(
あゝ
)
、人は、當來に、豐なる
賚
(
たまもの
)
を望む。
あすは、明日は、
(旧字旧仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
我等の中に汝嘗て見しによりてその
消息
(
おとづれ
)
を世に傳ふるをうる者あるか、
噫
(
あゝ
)
何すれぞ過行くや、汝何すれぞ止まらざるや 四九—五一
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
而して其亡ぶるや未だ嘗て其国民が当初の品格を失墜したるに
因
(
よ
)
らずんばあらず
噫
(
あゝ
)
今に及んで百尺竿頭、更に一歩を転ぜずんば、吾人は恐る
英雄論:明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
噫
(
あゝ
)
詩人よ、詩人たらんとするものよ、汝等は不幸にして今の時代に生れたり、汝の雄大なる舌は、
陋小
(
ろうせう
)
なる箱庭の中にありて鳴らさゞるべからず。
漫罵
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
▼ もっと見る
蓮太郎——大日向——それから仙太、斯う聯想した時は、
猜疑
(
うたがひ
)
と
恐怖
(
おそれ
)
とで
戦慄
(
ふる
)
へるやうになつた。
噫
(
あゝ
)
、意地の悪い
智慧
(
ちゑ
)
はいつでも後から出て来る。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
中將は南洲の
元
(
げん
)
を
視
(
み
)
て曰ふ、
惜
(
を
)
しいかな、天下の一勇將を失へりと、
流涕
(
りうてい
)
すること之を久しうせり。
噫
(
あゝ
)
公私情盡せり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
噫
(
あゝ
)
此行
(
このかう
)
、
氷川
(
ひかは
)
の
宮
(
みや
)
を
拜
(
はい
)
するより、
谷中
(
やなか
)
を
過
(
す
)
ぎ、
根岸
(
ねぎし
)
を
歩行
(
ある
)
き、
土手
(
どて
)
より
今戸
(
いまど
)
に
出
(
い
)
で、
向島
(
むかうじま
)
に
至
(
いた
)
り、
淺草
(
あさくさ
)
を
經
(
へ
)
て
歸
(
かへ
)
る。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
噫
(
あゝ
)
、汝不來方の城よ※ 汝は今これ、漸くに覺醒し來れる盛岡三萬の市民を
下噉
(
かかん
)
しつつ、……文明の
儀表
(
ぎへう
)
なり。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
赤良顔
(
あからがほ
)
もしばし
煙管
(
きせる
)
を
置
(
お
)
いてかなし
気
(
げ
)
に
見
(
み
)
えた、
噫
(
あゝ
)
何
(
なん
)
と云ふ
薄命
(
ふうん
)
な
女
(
をんな
)
であらうと
我
(
われ
)
も同情の涙に
絶
(
た
)
えなかつた
夜汽車
(新字旧仮名)
/
尾崎放哉
(著)
そして彼はそれを靜かに窺き込んで居る。
噫
(
あゝ
)
、その無心の顏、自分は自分の瞼の急に重くなるを感じた。
古い村
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
夕暮色
(
ゆふぐれいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
愁
(
うれひ
)
に
半
(
なかば
)
死
(
し
)
んでゐる、
噫
(
あゝ
)
たそがれ
刻
(
どき
)
の
霧
(
きり
)
、
夕暮色
(
ゆふぐれいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、ぐつたりした手に
接吻
(
せつぷん
)
しながら、おまへは
戀死
(
こひじに
)
でもしさうだ、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
其一日が過ぎて行く、まだ一時間あるぞ。其一時間が經つて行く、まだ一分あるぞなどと
噫
(
あゝ
)
徒目
(
だめ
)
だ。然し、せめてもう一遍は戻つて來さうなものだのに。いや前にも言つた、さうはいかぬ。
落葉
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
「首領の捕縛」「公権の乱暴」「婦女小児の負傷」
而
(
しか
)
して
噫
(
あゝ
)
、「維持費尽く」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
噫悪かつた、逸り過ぎた間違つた事をした、親方に頭を下げさするやうな事をした歟
噫
(
あゝ
)
済まないと、自分の
身体
(
みうち
)
の痛いのより後悔にぼろ/\涙を
飜
(
こぼ
)
して居る
愍然
(
ふびん
)
さは、何と可愛い奴では無い歟
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
噫
(
あゝ
)
今は
越方
(
こしかた
)
となりし
辛
(
つら
)
き長き
途
(
みち
)
よわれたゞ
孤
(
ひとり
)
なりしその日よ。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
一々対照し来れば
蓋
(
けだ
)
し思ひ半ばに過ぐるものあらん、
噫
(
あゝ
)
千里駒後日譚
(新字旧仮名)
/
川田瑞穂
、
楢崎竜
、
川田雪山
(著)
噫
(
あゝ
)
究極の美なるかな、げにわれこそは
孤
(
ひと
)
りなれ。
エロディヤッド
(旧字旧仮名)
/
ステファヌ・マラルメ
(著)
水と火、
噫
(
あゝ
)
相遇へり、青き
膏
(
あぶら
)
機縁:(友なる画家の画稿に題す)
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
噫
(
あゝ
)
、かなし、
炎
(
ほのほ
)
よ、
慾
(
よく
)
よ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ば手に入んこと外になし此
婚姻
(
こんいん
)
の
妨
(
さまた
)
げせば
渠
(
かれ
)
自然
(
おのづから
)
此方
(
こなた
)
へ
靡
(
なび
)
かん
噫
(
あゝ
)
然なりと思案せしが此
方策
(
はうさく
)
に
困
(
こう
)
じ
果
(
はて
)
就
(
つい
)
ては惡き事に掛ては
敏
(
かしこ
)
き者は兄の元益是に相談なして見ばやと先元益が方へ至るに
博奕
(
ばくち
)
に
負
(
まけ
)
の
込
(
こみ
)
たるか
寢卷
(
ねまき
)
一枚奧の間に
煤
(
すゝ
)
ぶりゐたるが夫と見て
誰
(
たれ
)
かと思へば弟の庄兵衞何と思つて出て來たか知ねど兄に
無禮
(
ぶれい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
憂ひの
噫
(
あゝ
)
に終らしむる深き
歎息
(
ためいき
)
をつきて後彼曰ひけるは。兄弟よ、世は
盲
(
めしひ
)
なり、しかして汝まことにかしこより來る 六四—六六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
噫
(
あゝ
)
。いつまでも斯うして生きたい。と願へば願ふほど、余計に穢多としての切ない自覚が湧き上るのである。現世の歓楽は美しく丑松の眼に映じて来た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
疑ひ
惑
(
まど
)
ふけふこのごろ、國運を思ひて、心病みぬるけふこのごろ、なれこそは、杖なれ、より木なれ、
噫
(
あゝ
)
、大なるかな、忠なるかな、自由なるかな、露西亞の言葉よ。
露西亜の言葉
(旧字旧仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
噫
(
あゝ
)
この、ある意味に於ての荒法師が、
筐中
(
きやうちゆう
)
常に彼可憐の貞女の遺魂を納めて、その重荷を取り去ることを得ざりしと、懸瀑に難行して、胸中の苦熱
鎖
(
とざ
)
し難き痛悩とは
心機妙変を論ず
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
「
世
(
よ
)
の
人々
(
ひとびと
)
の
御主
(
おんあるじ
)
よ、われをも
罪
(
つみ
)
無
(
な
)
くなし
給
(
たま
)
へ、この
癩病
(
らいびやう
)
に
病
(
や
)
む
者
(
もの
)
を。」
噫
(
あゝ
)
、
淋
(
さむ
)
しい、あゝ、
恐
(
こは
)
い。
歯
(
は
)
だけに、
生来
(
しやうらい
)
の
白
(
しろ
)
い
色
(
いろ
)
が
残
(
のこ
)
つてゐる。
獣
(
けもの
)
も
恐
(
こは
)
がつて
近
(
ちか
)
づかず、わが
魂
(
たましひ
)
も
逃
(
に
)
げたがつてゐる。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
噫
(
あゝ
)
、涙、
噫
(
あゝ
)
、
情深
(
なさけぶか
)
き心、
噫
(
あゝ
)
、涙はふり落つるこの
顏容
(
かんばせ
)
かな。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
文目
(
あやめ
)
もおぼろ、
蕭
(
しめ
)
やかに、
噫
(
あゝ
)
、
蕭
(
しめ
)
やかに、つくねんと
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
また孤獨なるその
妹
(
いもと
)
、
噫
(
あゝ
)
永久のわが
妹
(
いもと
)
エロディヤッド
(旧字旧仮名)
/
ステファヌ・マラルメ
(著)
噫
(
あゝ
)
あはれなる彼女、よ
夜汽車
(新字旧仮名)
/
尾崎放哉
(著)
「
噫
(
あゝ
)
帖然一紙
(
てふぜんいつし
)
。」
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
承知して居乍ら、働く気が無くなつて了つた。
噫
(
あゝ
)
、朝寝の床は絶望した人を葬る墓のやうなもので有らう。丑松は復たそこへ倒れて、深い
睡眠
(
ねむり
)
に
陥入
(
おちい
)
つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
噫
(
あゝ
)
人生を厭悪するも厭悪せざるも、誰か処女の純潔に
遭
(
あ
)
ふて欣楽せざるものあらむ。
処女の純潔を論ず:(富山洞伏姫の一例の観察)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
噫
(
あゝ
)
、われら、
正
(
まさ
)
しくも受く
可
(
べ
)
き
福
(
さいはひ
)
を取らずして
カンタタ
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
噫
(
あゝ
)
、
彼女
(
かのひと
)
にのみ
内證
(
ないしよう
)
の祕めたる事ぞ無かりける。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
……………………
噫
(
あゝ
)
なんぢ、鏡よ
エロディヤッド
(旧字旧仮名)
/
ステファヌ・マラルメ
(著)
噫
(
あゝ
)
遲
(
おく
)
れたり、呼ばゝりて過ぎ行く夢の
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
噫
(
あゝ
)
勢力
(
せいりき
)
の強くとも
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
“噫”の意味
《感嘆詞》
ものに感じて発する声。ああ。
応答の声。
(出典:Wiktionary)
噫
漢検1級
部首:⼝
16画
“噫”を含む語句
噫々
噫気
噫吁
噫吁戯
噫呼
噫嘻
噫斗筲之人
噫無情