“触”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
さわ46.0%
32.1%
さは7.3%
ふれ4.2%
しょく1.3%
さや1.2%
1.2%
0.8%
あた0.8%
いろ0.8%
タッチ0.8%
ふる0.6%
サハ0.4%
0.4%
ざわ0.4%
0.4%
0.4%
あて0.2%
さぐ0.2%
0.2%
そく0.2%
ふら0.2%
フレ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見てみるがいい、気味の悪いことがあるものか、血だ、血だ、血ですべってはいけない、刃物を取ってしまえ、刃物にさわると怪我をする
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
デンマークの文芸批評家ゲオルグ・ブランデスは、その点にれて、次のような簡明ではあるが味わいの深い評語を、のこしています。
「はつ恋」解説 (新字新仮名) / 神西清(著)
るとぞつとする。こけのある鉛色なまりいろ生物いきもののやうに、まへにそれがうごいてゐる。あゝつてしまひたい。此手このてさはつたところいまはしい。
は母のふところにあり、母の袖かしらおほひたればに雪をばふれざるゆゑにや凍死こゞえしなず、両親ふたおや死骸しがいの中にて又こゑをあげてなきけり。
と、手具脛てぐすねひいて待つ所へ、魏軍三万の張郃ちょうこう戴陵たいりょうはほとんど鎧袖がいしゅうしょくの勢いでこれへ当ってきた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
嗚呼、此故よしは、我身だに知らざりしを、いかでか人に知らるべき。わが心はかの合歓ねむといふ木の葉に似て、物さやれば縮みて避けんとす。我心は処女に似たり。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「そうです……わたしの指がわると何もかもお金になるのです。お金にならないものは皆、血になるのです。ヘヘヘ……」
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
独りうなずいて、信長のれが出るあいだ、邸内の菜園をぶらぶら歩いたり、屋根の子猫に手招きしたりしていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『待て待て。その仁三郎は待て。今俺が胸のとこをばあたって見たれあ、まだどことのうぬくごとある。まあだ生きとるかも知れん』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「何ぢやいな、姑が嫁のそんなもんいろうたりして! 僕お母さんにそんなことしてくれ云へしまへんで。福子にさしなはれ云うてんで。」
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
友人たちが故人のタッチを毀わさず残そうと、未成品のままブロンズにして永久に作者を偲ぶことにしたのです。
青酸は毒のもっともはげしきものにして、舌にふるれば、即時にたおる。その間に時なし。モルヒネ、砒石ひせきは少しくかんにして、死にいたるまで少しく時間あり。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
サハつても触つても、巌ばかりである。手をノバすと、更に堅い巌が、掌に触れた。脚をひろげると、もつと広い磐石バンジヤクオモテが、感じられた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
なるべく自分をひとく了解させようとつとめるよりも、出来るだけ自分の価値を明るい光線にてさせたがる性質たちであった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何の臓器だか存じませんが、串にさして塩を振って焼いたものは殆ど腥味なまぐさみがなく、きし/\したゴムのような歯ざわりにとても気持のよいところがあって、わたくしは好きでした。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
二つやみつつならだしもの事、私の様な弱い者には、四つ、五つと盃の列んだのを見ると、醒め果てた恋に向ふ様で、モウ手もけたくない。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ふゆはれることである。ふゆとふるとは同じ事である。ふゆは物を附加する事であるが、もとは物を分割する意味である。
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
剃刀かみそりは岡源の母親おふくろあてさせ、御召物の見立は大利だいりの番頭、仕立は馬場裏の良助さん——華麗はで穿鑿せんさくを仕尽したものです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
さぐりで床の間の水さしを掴まえた。口のほうから持っていき、ククククと喇叭飲みにした。いたいた心が鎮まってきた。ばかりか、ジーンと澄んでさえきた。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
そでれ違って、ひざを突き合せていながらも、魂だけはまるで縁も由緒ゆかりもない、他界から迷い込んだ幽霊のような気持であった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
対象の世界 次に六境とは、六根の対象になるもので、しきしょうと香と味とそくと法とであります。六根に対する六つの境界という意味で、六境といったのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
だろうというのがいつかそうだとなり、彼は義賊だと云いふらす者も出来て、正体の分らない人に人気が出ましてね、一方では恐怖こわがられ、一方では慕われるという矛盾した状態ありさまにまでなったんです。
耳香水 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
フレが違ひ、村が替ると、細かい約束が非常に違つて来る。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)