さや)” の例文
旧字:
嗚呼、此故よしは、我身だに知らざりしを、いかでか人に知らるべき。わが心はかの合歓ねむといふ木の葉に似て、物さやれば縮みて避けんとす。我心は処女に似たり。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
目のひて幽かにしし仏像みすがたに日なか風ありてさやりつつありき
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
手にさやる子の無きが悲しき。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ああ、この故よしは、わが身だに知らざりしを、いかでか人に知らるべき。わが心はかの合歓ねむという木の葉に似て、物さやれば縮みて避けんとす。わが心は処女に似たり。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
春はまだ青からたちのとげのするどにやき眼のさやりなり
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
まらむとして紫陽花のたまさやりし蝶れつつ月の光にあが
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
驚きてつと角退きし蝸牛かたつむりまたつくづくと葉にさやるあはれ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
すれすれに夕紫陽花ゆふあぢさゐに来てさやる黒き揚羽蝶あげはの髭大いなる
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
抱かれて吾が児がさやる梅の花うてなあかしその枝のさきに
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)