“前触”のいろいろな読み方と例文
旧字:前觸
読み方割合
まえぶれ50.0%
まえぶ19.2%
まへぶれ15.4%
さきぶれ7.7%
さきぶ3.8%
しらせ3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかも田舎いなか教師の三吉としてはすくなからぬ高である。前触まえぶれも何もなく突然こういうものを手にしたということは、三吉を驚かした。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
何の前触まえぶれもしてなかったことだし、停車場には勿論もちろん誰も出迎えに来てはいなかったので、私達はすぐ駅前のくるまに乗ってホテルに向った。
火縄銃 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
斯ういふ阿爺おやぢが——まあ、鋼鉄のやうに強いとも言ひたい阿爺が、病気の前触まへぶれも無くて、突然死去したと言つてよこしたとは。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
この対面たいめんにつきては前以まえもっ指導役しどうやくのおじいさんからちょっと前触さきぶれがありました。
それは太陽の君臨する前触さきぶれかとも見えたが、たちまち団々たる黒煙の柱が空へ巻き上がってきたので、あきらかにそうでないのが知れた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのうちに聞こえて来る前触しらせの拍子木。草履のはためき。カラリコロリという木履ぼくりの音につれて今日を晴れと着飾った花魁衆の道中姿、第一番に何屋の誰。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)