“前屈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まえかが70.9%
まえこご9.1%
まへかゞ7.3%
のめ1.8%
まえかがみ1.8%
まえかゞ1.8%
まへかが1.8%
まへかゞみ1.8%
まへこご1.8%
まへこゞ1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこへ何も知らない老爺が、鼻緒を引締めるために、力を入れながら前屈まえかがみになる。テカテカ頭を電燈の下にニューと突き出す。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「どうしてまたそう作太郎を嫌ったものだろうねえ」おとらは前屈まえこごみになって、華車きゃしゃな銀煙管に煙草をつめながら一服ふかすと
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しな身體からだ半分はんぶん蒲團ふとんからずりしてたら、手拭てぬぐひかみつゝんですこ前屈まへかゞみになつてるおつぎの後姿うしろすがたえた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
間もなく、息せき切ったベエコンが、前屈のめるようにグリイン氏の室へ突き込まれて来た。
双面獣 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
縄をほどかれて、しょんぼり立っていた虎蔵が、ひょいと物をねらう獣のように体を前屈まえかがみにしたかと思うと、突然りよに飛び掛かって、押し倒して逃げようとした。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
米屋町まではさほど遠くはないのに、いつでも前屈まえかゞみに地面へ狙いをつけて、両手を化物のようにブラ/\させながら、小刻みの急ぎ足で家から逃げて行く姿の情無さ。
The Affair of Two Watches (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
婆さんは前屈まへかがみに手を伸ばしたが、ひよいと泥の中に立つてゐる男の顔を見ると、慌てて手を引つこめた。
何卒どうぞはあ、けつしてやりませんから、へえお内儀かみさんどうぞ」勘次かんじ草刈籠くさかりかご脊負せおうて前屈まへかゞみになつた身體からだ幾度いくどかゞめていつた。なみだまたぼろ/\ときものすそからねてほつ/\とにはつちてんじた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼は少し前屈まへこごみになりながら、自分の體の或る部分をぢつと見入つてゐた。彼は誰にも見られてゐないと信じてゐるらしかつた。私の心臟ははげしく打つた。
燃ゆる頬 (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
けぬ老爺ぢいは、前屈まへこゞみにこしれて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)