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まえこご
ふりがな文庫
“
前屈
(
まえこご
)” の例文
「どうしてまたそう作太郎を嫌ったものだろうねえ」おとらは
前屈
(
まえこご
)
みになって、
華車
(
きゃしゃ
)
な銀煙管に煙草をつめながら一服
喫
(
ふか
)
すと
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
僕は相手の名前も分らない、また向うの話の通じない電話をかけるべく、
前屈
(
まえこご
)
みになって用意をした。千代子はすでに受話器を耳にあてていた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
心持ち
前屈
(
まえこご
)
みになって、古い駒下駄の泥をステッキの先で落している。たしかに大物を張込んでいるらしい態度だ。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼は少し
前屈
(
まえこご
)
みになりながら、自分の体の或る部分をじっと見入っていた。彼は誰にも見られていないと信じているらしかった。私の心臓ははげしく打った。
燃ゆる頬
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
巨大な紳士は突然、何かに脅やかされたように身体を縮めて
前屈
(
まえこご
)
みになった。慌てて外套のポケットに手を突込んで、白いハンカチを掴み出して、大急ぎで顔に当てた。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
「どうだい島ちゃん、こうして並んでみると万更でもないだろう」青柳が一二杯
猪口
(
ちょこ
)
をあけた時分に、
前屈
(
まえこご
)
みになって
舐
(
な
)
めるような調子で、
私
(
そっ
)
とお島の方へ声をかけた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そのあとを見送って、扉の閉まるのを見届けた正木博士はイキナリ
前屈
(
まえこご
)
みになってカステーラの一片を手掴みにすると、たった一口に頬張り込んで熱い茶をグイグイと呑んだ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
“前屈”の意味
《名詞》
前屈(ぜんくつ)
前に曲がっていること。
体を前に曲げること。
(出典:Wiktionary)
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
屈
常用漢字
中学
部首:⼫
8画
“前”で始まる語句
前
前後
前途
前方
前垂
前刻
前様
前栽
前掛
前兆