“まえこご”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
前屈50.0%
前跼20.0%
前曲10.0%
前俛10.0%
前踞10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕は相手の名前も分らない、また向うの話の通じない電話をかけるべく、前屈(まえこご)みになって用意をした。千代子はすでに受話器を耳にあてていた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして空いた袋や籠を括(くく)りつけた天秤棒(てんびんぼう)を担ぎ、少し前跼(まえこご)みになってさっさと帰っていった。
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
記者は玉子色の外套の隠袖(かくし)へ両手を入れたまま、反返(そりかえ)って笑った。やがて、すこし萎(しお)れて、前曲(まえこご)みに西の方を覗(のぞ)くようにしながら
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
豊世は姑から細い銀の煙管(きせる)を借りて、前曲(まえこご)みに煙草を燻(ふか)してみながら、話を聞いている。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
傘を傾けて杉の下に立って見て居ると、また一しきり烈(はげ)しく北から吹きつくる吹雪(ふぶき)の中を、黒い外套姿が少し前俛(まえこご)みになって、一足ぬきに歩いて行く。第一の石橋を渡る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
見たまえ——お米が外套(がいとう)を折畳みにして袖に取って、背後(うしろ)に立添った、前踞(まえこご)みに、辻町は手をその石碑にかけた羽織の、裏の媚(なまめ)かしい中へ、さし入れた。手首に冴えて淡藍(うすあい)が映える。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)