青みを帯びた皮の、まだ玉虫色に光っている、活きのいいみごとな秋鯵だった。皮をひき三枚におろして、塩で緊めて、そぎ身に作って、鉢に盛った上から針しょうがを散らして、酢をかけた。……見るまに肉がちりちりと縮んでゆくようだ、心ははずむように楽しい …
著者 | 山本周五郎 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 前編「椿 創刊号」山本周五郎一人雑誌、1946(昭和21)年7月
中・後編「新青年」1949(昭和24)年1月~3月 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約3時間30分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約5時間50分(300文字/分) |