“仰反”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のけぞ58.6%
あおの13.8%
あおむけ13.8%
あおのけ3.4%
あおむ3.4%
そりかへ3.4%
のけぞり3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
与里の枕頭まくらべにゐた玄也は猫の顔付をツと持ち上げて、余り唐突な激しい意志のために、瞬間クラクラと仰反のけぞるやうなハヅミをつけたが
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
そんな事をされようとは思いもよらなかったので、躰当りをまともに受け、足を取られて仰反あおのけさまに倒れた。
雪と泥 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
見よ、床の上には小間使が仰反あおむけに倒れて気絶している。そしてその傍には、既に空になった黒天鵞絨ビロウド張の小筐が落ちていたではないか。
謎の頸飾事件 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そして「うー」とうめくなり仰反あおのけさまに道の上へ顛倒てんとうした。八百助はやおら背伸びをし、手を振り足踏みをした、姿はくるりとけ変わり、輝くような美丈夫に返った。
彼は背伸びでもするように、顔だけ仰反あおむけにしてこっちを見た。
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
掻拂かきはらをぐる/\きに、二捲ふたまきいてぎり/\と咽喉のどめる、しめらるゝくるしさに、うむ、とうめいて、あしそらざまに仰反そりかへる、と、膏汗あぶらあせ身體からだしぼつて、さつかぜめた。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そうして、杢助の眼球が裏返しになるとたん、岩見重太夫はついに眼をまわして、仰反のけぞりざまに(枯木でも倒れるように)どしーんとぶっ倒れてしまった。
似而非物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)