“精”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くわ52.2%
せい26.2%
くは9.0%
しら5.0%
くはし1.3%
き0.7%
しやう0.7%
エツキス0.7%
スピリット0.7%
ゲーニウス0.3%
シイ0.3%
え0.3%
くわし0.3%
しょう0.3%
しろ0.3%
すぐ0.3%
ずく0.3%
と0.3%
よ0.3%
クハ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「どうも貴方は不思議な人ですね。まるで探偵のようなことを云うじゃありませんか。それに科学にもなかなか精(くわ)しいようだし……」
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「たいへんに精(せい)が出(で)るな。」と、月(つき)はいいました。馬追(うまお)いはびっくりして、二本(ほん)の長(なが)いまゆ毛(げ)を動(うご)かして、声(こえ)のした空(そら)を仰(あお)ぎながら
酒屋のワン公 (新字新仮名) / 小川未明(著)
壽阿彌は姪が敬服してゐると云ふを以て、此宗壽の重きをなさうとしてゐる。姪は餘程茶技に精(くは)しかつたものとしなくてはならない。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
米を大量に精(しら)げるための杵であって、後に餅搗きにこれを転用したことは、今でも餅臼(もちうす)が是と不釣合(ふつりあい)に小さいのを見てもわかる。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
貫一もまたその逢着(ほうちやく)の唐突なるに打惑ひて、なかなか精(くはし)く看るべき遑(いとま)あらざりけれど、その女は万々彼の妻なんどにはあらじ、と独(ひと)り合点せり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
精(き)で三四杯あほり立てたので酔(よひ)が一時(いつとき)に発して眼(め)がぐらぐらして来た。此時(このとき)
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そこへこの三日間ほど、おきみは、夜もろく/\眠らされず、まるでぼろ布の如く持ち運ばれたので、今は精(しやう)も根(こん)も全く盡き果てゝゐた。額が妙に鋭く尖り、目だけがギロリと飛び出してゐる。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
短歌は一箇の小さい緑の古宝玉である、古い悲哀時代のセンチメントの精(エツキス)である。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
精神を組成するものは、「精(スピリット)」、「熱」、「空気」、とそれに第四のある「名のない者」とである。
ルクレチウスと科学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
從つて或資料の精(ゲーニウス)を完全に掌握してゐることは必ずしも他の資料を完全に掌握してゐると云ふことにはならない。
三太郎の日記 第一 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)
中にはその手をもう太刀の柄(つか)がしらにかけている者もあった。そのていが最初から喧嘩腰である。人数は対等でも、玉藻の供は相手ほどに精(え)り抜いた侍どもではなかった。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
御正月になりましたら、精(くわし)い御手紙を認(したた)めたいと思うて思うて居りましたが、御正月も元旦からいつもと同じに働いて休みなどは取れませんでしたから、つい/\御無沙汰いたしました。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
近頃は、精(しょう)も根(こん)も、衰えたように、痩(や)せが目についてきた。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
米舂(つ)き大いにその妙を得、大抵両三人、同じく上り、会読(かいどく)しながらこれを舂(つ)き、『史記』など二十四葉読む間に米精(しろ)げ畢(おわ)る、また一快なり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
そして間もなく、伊那方面へは、洞院左膳を大将として、国内を精(すぐ)った精兵を向け、御嶽冠者の抑えとしては、郡代に防衛の厳命を下だし、加勢の兵を差し向けた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「東京は田舎と異(ちが)って、何もしずに、ぶらぶら遊んでいるような者は一人もいないで、為(ため)さあのような精(ずく)のない人には、やって行かれるかどうだか私(わし)ア知らねえけれど、まず一ト通りや二タ通りのことでは駄目だぞえ。」
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
母親は手元の薄暗い流し元にしゃがみ込んで、ゴシゴシ米を精(と)いでいた。水をしたむ間、ぶすぶす愚痴を零(こぼ)している声が奥の方へも聞えた。お庄はまた母親のお株が始まったのだと思った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
筆択むべし、道具詮議すべし、魚を釣らんとせば先づ釣の具を精(よ)くすべし。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
竹中ハ総軍ヲ己レノ任トシ、強(アナガ)チニ小事ニ精(クハ)シカラズ、万(ヨロヅ)自然ニ任セタリ。彼、先駆(サキガケ)、殿(シンガリ)ニアルトキハ、軍中何トナク心ヲ安ンジタリ。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)