“妖精”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ようせい55.8%
ばけもの7.7%
えうせい3.8%
フェアリー3.8%
フェヤリー1.9%
フエアリ1.9%
おばけ1.9%
フエアリー1.9%
すだま1.9%
エルフイシュ1.9%
グノーム1.9%
スピリット1.9%
ニンフ1.9%
ニンプヘ1.9%
フェアリ1.9%
フェアリイ1.9%
フェリア1.9%
フエアリイ1.9%
フエヤリイ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こんな遅い時刻でさえも、中天にただ一つ、つけっ放しになっている蒼いランプは、すんなりした女の姿を、妖精ようせいのように見せていた。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
兵法ひょうほうに曰く柔よく剛を制すと、深川夫人が物馴ものなれたるあつかいに、妖艶ようえんなる妖精ばけもの火焔かえんを収め、静々と導かれて、階下したなる談話室兼事務所にけり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
妖精えうせいなんてヂキタリスの花や葉の間やきのこのかげや、古壁の隅をつた連錢草れんせんさうの下を探したけれど、どこにも見附からないので結局
毎日おびただしい花が咲いては落ちる。この花は昼間はみんなつぼんでいる。それが小さな、可愛らしい、夏夜の妖精フェアリーにぎこぶしとでも云った恰好をしている。
烏瓜の花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ここまでくるみちみち妖精フェヤリーたちはいろんなすがたにおじょうさんを変えたので、ジェミイはいま何をだいているのか自分でも知らない。
ジェミイの冐険 (新字新仮名) / 片山広子(著)
だつてあなたは私のことを妖精フエアリだつて仰しやるけれど、あなたときたら確かに色黒善魔と云つた風でゐらつしやるわ。
本当の話は人喰鬼が新しい血を嗅ぎ出す話や、妖精おばけがとうなすを馬車にしたり蜥蜴とかげ従者おともに化けさせたりする話よりは、もつと本当に面白い筈だ。
あなたは妖精フエアリーだからきかせて下さいよ——私が美男になるやうな魅力か、媚藥びやくか、それとも何かそんな種類のものは持つてゐませんかねえ。
御者ぎょしゃ懶惰ぶしゃうはしため指頭ゆびさきから發掘ほじりだ圓蟲まるむしといふやつ半分はんぶんがたも鼠裝束ねずみしゃうぞくちひさい羽蟲はむし車體しゃたいはしばみから、それをば太古おほむかしから妖精すだま車工くるましきまってゐる栗鼠りす蠐螬ぢむしとがつくりをった。
彷徨ふ蒼白き妖精グノーム小妖精リュタンの化身であらうか。はてさて悩ましき化け物ぢやアよ!
霓博士の廃頽 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
思ひつかせてくれるやうな妖精スピリットはゐないのか! 空しいのぞみ! 西の風は私の周圍の常春藤アイヴイに囁いたけれどどの優しいエイリエル(妖精の一つ)も言葉の仲介物としてその息を貸してはくれない。
そうして一心に吾輩の姿を見上げている半裸の若い女たちの姿を見まわすと吾輩は、森の妖精ニンフに囲まれた半獣神パンみたような気持になった。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ポリプㇸーモスは美しい妖精ニンプヘのガラテアに懸想したが、ガラテアはアチス(アキス)という愛人があったので拒絶すると、巨人はアチスを殺そうとした。
エトナ (新字新仮名) / 野上豊一郎(著)
彼は可愛い小さな男の子で、巨人ヂャイアントの身のたけは正確にいうといくらあったかとか、妖精フェアリが小さいといっても幾センチ位だったかというような、こまかい質問をいつもするのだった。
『私は、妖精フェアリイ宮様プリンセスだ、妖精フェアリイの私を傷けたり、不快にしたり出来るものがあるはずはない。』
「ヘイ・レインやあのあたりの野原には、今はもう彼等の跡かたもありません。夏、秋、冬の月夜にも、今はもう妖精フェリアたちの酒盛さかもりはないと思ひます。」
親切な妖精フエアリイが、私のゐない間に、きつと、私の求めた智慧を枕の上に置いてくれたのだらう。と云ふのは、私が横になると、靜かに、ひとりでに心に浮かんで來たから。
後世になつてアイルランドの伝説には蛇でなく妖精フエヤリイが出てくるやうになり、お話はだんだん殺伐でなくなつた。人間も殖えて強くなつたのであらう。
大へび小へび (新字旧仮名) / 片山広子(著)