“ばけもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:バケモノ
語句割合
化物51.7%
妖怪20.4%
怪物14.3%
妖物5.4%
妖精2.7%
化者1.4%
化精0.7%
妖者0.7%
妖霊0.7%
0.7%
精霊0.7%
變化0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この象を腑分ふわけしたら、どんな化物ばけものが飛び出すか知れたもんじゃねえ、御出役のこないうちに軽率かるはずみに象に手をつけるわけにはゆきません
「どんなものか、一つ其の妖怪ばけものに逢ってみたいものじゃないかと」、権八は云いだした。平太郎も好奇ものずきらしいまなこを輝かした。
魔王物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
けつしておろかなる船長せんちやうふがごとき、怨靈おんれうとかうみ怪物ばけものとかいふやう得可うべからざるものひかりではなく、りよくこう兩燈りようとうたしかふね舷燈げんとう
いかんとなればおん身は光る石をひろはんとのくはだてにはあらず、妖物ばけもの退治たいぢせんとて川へいたり、おん身よりは我先われさきに川へ飛いり光りものをさぐりあてゝかづきあげしも我なり
今では福太郎から天にも地にも懸け換えのないタッタ一人の女神様のように思われている女であった……だからその母親か姉さんのようになつかしい……又はスバラシイ妖精ばけものではないかと思われるくらい婀娜あだっぽいお作の白々と襟化粧えりげしょう
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
法というものは不増不減のものだが、教えというものは融通変化ゆうずうへんげ、自由自在でなければならん。法は本体じゃ、教えは化者ばけものじゃ。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
さあこれが旦那様、目黒、堀ノ内、渋谷、大久保、この目黒あたりをかけて徘徊はいかいをいたします、真夜中には誰とも知らず空のものと談話はなしをしますという、鼻の大きな、じじい化精ばけものでございまして。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もとより其のつもりぢや来たけれど、私だつて、これ当世の若い者、はじめから何、人の命を取るたつて、野に居る毒虫か、函嶺はこねを追はれたおおかみだらう、今時いまどきつまらない妖者ばけものが居てなりますか
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その肩が、見えない妖霊ばけものへひとりで強がっているようで、お蔦は、おかしかった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また男を取り殺した例も出でおる。わが国に古くミヅチなる水のばけものあり。『延喜式』下総しもうさ相馬そうま郡に蛟蝄みづち神社、加賀に野蛟のづち神社二座あり。
何処どこ唐草からくさ精霊ばけものかといやになったる心には悪口もうかきたるに、今は何を着すべしとも思いいだせず工夫錬り練り刀をぎぬ。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
付けて中津川なかつがはより來りし馬二頭ありしを幸ひこれに乘る元より駄馬なれば鞍も麁末そまつに蒲團などもなし宿の主才角さいかくしてうしろより馬の桐油とうゆをかけて我々を包む簑虫の變化ばけものの如し共に一笑してこゝ
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)