“函嶺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はこね78.6%
かんれい21.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
桂木は其のまざるぜんの性質にふくしたれば、貴夫人がなさけある贈物にむくいるため——函嶺はこねを越ゆる時汽車の中でつた同窓の学友に、何処どちらへ、と問はれて
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
紅葉もみじはちょうど見ごろ、差迫った御用もない折を狙って、銭形平次は、函嶺はこねまで湯治旅と洒落しゃれました。
「世の中は近々平和になるよ。だが今後とも小ぜりあいはあろう。幕臣たる者は油断してはならない。八郎、お前、久能山くのうざんへ行け! 函嶺かんれいけんやくしてくれ!」
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
われは函嶺かんれいの東、山水の威霊少なからぬところにうまれたれば、我が故郷はと問はゞそこと答ふるに躊躇ためらはねども、往時の産業は破れ、知己親縁の風流雲散せざるはなく
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)