“扼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やく87.2%
とりしば5.8%
さす2.3%
2.3%
くびき1.2%
つか1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
越後によってそれがやくされているかぎり、甲山の猛虎信玄も、ついに野尻湖以北——裏日本への展開は将来に望み難いものになる。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれら、お沢を押取おっとり込めて、そのなせる事、神職のげんの如し。両手をとりしばり、腰を押して、正面に、看客かんかくにその姿を露呈す。——
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
雨霽あまあがりで元気はよし、女小児こどもの手前もあって、これ見よがしに腕をさすって——おらが一番見届ける、得物なんぞ、何、手掴てづかみだ、と大手を振って出懸けたのが、山路へかかって、八ツさがりに
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「死骸を俯向きにして見ると、首筋にも指の跡がある。——匕首が突っ立っているから、うっかりだまされたが、あれは刺される前に、男の強い力でめ殺されていたんだ」
そして彼はそれにくびきをかけられ何とかして前に進もうともがいているように見えるであろう。
勇は秀子の豊満な腕をつかんで、母親に物を強請ねだる子のように打ち振りました。秀子はそうされ乍らも、小娘のように、シクシクと泣いて居たのです。あの勝気の秀子が——
流行作家の死 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)