さす)” の例文
雨霽あまあがりで元気はよし、女小児こどもの手前もあって、これ見よがしに腕をさすって——おらが一番見届ける、得物なんぞ、何、手掴てづかみだ、と大手を振って出懸けたのが、山路へかかって、八ツさがりに
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
中屋敷下屋敷へもあまねく聞え渡ったので、血気の若侍共は我れその変化の正体を見届けて、渡辺綱、阪田公時にも優る武名を轟かさんと、いずれも腕をさすって上屋敷へ詰かけ、代る代る宿直とのいたが
池袋の怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)