“もののけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
物怪73.5%
妖怪16.3%
妖気2.0%
2.0%
物化2.0%
精霊2.0%
鬼病2.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
兄弟は静かに退き、それにつづく沈黙の間、彼のまわりの物怪もののけのような姿は、彼ひとりを立たせたままいっせいに跪いた。
「なぜあなたはこんな顔色をしているのだろう。しつこい物怪もののけだからね。修法しゅほうをもう少しさせておけばよかった」
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
燈心を引いてわざと細めた紙燭の光が、古びた襖へ、朦朧もうろうとした二つの影法師を、妖怪もののけのようにうつしている。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
といつの間に現われたものか、その松女のすぐの背後うしろに、妖怪もののけのような女の姿が、朦朧として佇んでいた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これまでも妖気もののけがもとでおりおりおわずらいになることはあっても、こんなに続いてながく御容態のすぐれぬようなことはなかったのであるから、御自身では御命数の尽きる世が来たというように解釈をあそばすのであった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
幽霊がないと信じている自分がふと何かの調子で、「鬼気」を感ずる時、感ずる対象はどうしても、一種の「もののけ」である。
ばけものばなし (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
これはちょっともののけの感じが出ている、『四谷怪談』中の唯一の怪味であろう。
ばけものばなし (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
「オヤ、マア、誰かと思ったら貴方だったのか、私はまた物化もののけでもあるかと思った。私はこれから常盤の君の部屋に行くから貴方もおつき合いをなさいよ」
錦木 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
ある者は誰か人に助けられたのだとも言うし、またある者は何か精霊もののけが運び入れたのだと言った。
『経律異相』四五には牧牛児あり常に沙門の経むを歓び聞く、山に入りて虎に食われ長者の家に生まる、懐姙中その母能く経を誦む、父この子の所為しわざと知らず鬼病もののけおもう、その子の前生に経を聞かせた僧往きて訳を話しその子生れて七歳道法ことごとく備わった大知識となったとある。