“もののけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
物怪70.9%
妖怪16.4%
妖災1.8%
1.8%
妖気1.8%
物化1.8%
精霊1.8%
鬼化1.8%
鬼病1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
急に店がさびれ出して、さきほども申し上げましたように、まるで物怪もののけに憑かれたように暗くじめじめとしておりました家の中が
蒲団 (新字新仮名) / 橘外男(著)
と薪左衛門は、呻き声をあげたが、やにわに天国の剣を引き抜き、春の白昼まひるに現われた、「声の妖怪もののけ」を切り払うかのように、頭上に振り
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あけの日二八八大倭やまとさとにいきて、翁が二八九めぐみかへし、かつ二九〇美濃絹みのぎぬ三疋みむら二九一筑紫綿つくしわた二屯ふたつみおくり来り、なほ此の妖災もののけ二九二身禊みそぎし給へとつつしみて願ふ。
いとも三三一げんなる法師にて、およ三三二疫病えやみ妖災もののけいなむしなどをもよく祈るよしにて、此のさとの人はたふとみあへり。此の法師三三三むかへてんとて、あわただしく三三四呼びつげるに、ややして来りぬ。
幽霊がないと信じている自分がふと何かの調子で、「鬼気」を感ずる時、感ずる対象はどうしても、一種の「もののけ」である。
ばけものばなし (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
これはちょっともののけの感じが出ている、『四谷怪談』中の唯一の怪味であろう。『源平げんぺい布引ぬのびきたき
ばけものばなし (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
これまでも妖気もののけがもとでおりおりおわずらいになることはあっても、こんなに続いてながく御容態のすぐれぬようなことはなかったのであるから
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
「オヤ、マア、誰かと思ったら貴方だったのか、私はまた物化もののけでもあるかと思った。私はこれから常盤の君の部屋に行くから貴方もおつき合いをなさいよ」
錦木 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
ある者は誰か人に助けられたのだとも言うし、またある者は何か精霊もののけが運び入れたのだと言った。
八一何となくなやみ出でて、八二鬼化もののけのやうに狂はしげなれば、ここに来りて幾日もあらず、此のわざはひかかる悲しさに、八三みづからもものさへわすれて八四いだたすくれども、只八五をのみ泣きて
『経律異相』四五には牧牛児あり常に沙門の経むを歓び聞く、山に入りて虎に食われ長者の家に生まる、懐姙中その母能く経を誦む、父この子の所為しわざと知らず鬼病もののけおも