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怪物
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ばけもの
ふりがな文庫
“
怪物
(
ばけもの
)” の例文
可
(
い
)
い
塩梅
(
あんばい
)
な
酔心地
(
よいごこち
)
で、
四方山
(
よもやま
)
の話をしながら、
螽
(
いなご
)
一ツ飛んじゃ来ない。そう言や一体蚊も
居
(
お
)
らんが、大方その
怪物
(
ばけもの
)
が
餌食
(
えじき
)
にするだろう。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
决
(
けつ
)
して
愚
(
おろか
)
なる
船長
(
せんちやう
)
の
言
(
い
)
ふが
如
(
ごと
)
き、
怨靈
(
おんれう
)
とか
海
(
うみ
)
の
怪物
(
ばけもの
)
とかいふ
樣
(
やう
)
な
世
(
よ
)
に
在
(
あ
)
り
得可
(
うべ
)
からざる
者
(
もの
)
の
光
(
ひかり
)
ではなく、
緑
(
りよく
)
、
紅
(
こう
)
の
兩燈
(
りようとう
)
は
確
(
たしか
)
に
船
(
ふね
)
の
舷燈
(
げんとう
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
世の中には
怪物
(
ばけもの
)
が沢山居る、学問が進んで
怪物
(
ばけもの
)
の数が
少
(
すくな
)
くなったと云うがそれはいい加減なことで
却
(
かえ
)
って
殖
(
ふ
)
えたかも知れない
大きな怪物
(新字新仮名)
/
平井金三
(著)
「由っちゃん、——なぜ俺なんかがすきなんだい、こんな
怪物
(
ばけもの
)
みたいな男が——。店にはもっと色男が一杯来るだろうに……」
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
傍
(
そば
)
には重太郎が獣のような眼を
晃
(
ひか
)
らして見張っている。窟の奥には山𤢖らしい
怪物
(
ばけもの
)
も居る。
路
(
みち
)
は人間も通わぬ
難所
(
なんじょ
)
である。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
まるで山全体が真っ黒な
怪物
(
ばけもの
)
のように見えて、今にも頭の上から
掩
(
おお
)
い被さってくるような気持がすると、私の宿をしていた百姓屋のお
内儀
(
かみ
)
さんなぞは
逗子物語
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
人が決して
住
(
すま
)
まわないとの事だった、その
怪物
(
ばけもの
)
の出る理由に
就
(
つい
)
ては、人々のいうところが皆
異
(
ちが
)
っているので
取止
(
とりと
)
めもなく、解らなかったが、その
後
(
のち
)
にも
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
部屋
(
へや
)
の中は、
障子
(
しょうじ
)
も、
壁
(
かべ
)
も、
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
も、ちがいだなも、昼間のように明るくなっていた。おばあさまの
影法師
(
かげぼうし
)
が大きくそれに
映
(
うつ
)
って、
怪物
(
ばけもの
)
か何かのように動いていた。
火事とポチ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「ところが、事実はけっして……」と伸子は真剣な態度で、キッパリ否定してから、「まるであの時のダンネベルグ様は、偏見と狂乱の
怪物
(
ばけもの
)
でしかございませんでした。 ...
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
某
(
それ
)
の年に此井の
畔
(
ほとり
)
に
夜々
(
よな/\
)
怪物
(
ばけもの
)
が出ると云ふ噂が立つた。或晩柏軒が多紀
茝庭
(
さいてい
)
の家から帰り掛かると、山伏井戸の畔で一人の男が道連になつた。そして柏軒に
詞
(
ことば
)
を掛けた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
新吉が落ちたから、驚いてニョコリと此の野郎が立ったから、新吉は又
怪物
(
ばけもの
)
が出たかと思って驚きましたが、新吉は襟がみを取られた時は、もう天命
極
(
きわ
)
まったとは思ったが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ヘエ」と、伯母は
良久
(
しばし
)
言葉もなく、
合点
(
がてん
)
行かぬ気に篠田の
面
(
おもて
)
を
目
(
ま
)
もれり「お前の神様のお話も
度々
(
たび/\
)
聞いたが、私には
何分
(
どうも
)
解らない、神様が嫁さんだなんて、
全然
(
まるで
)
怪物
(
ばけもの
)
だの」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
忠公が猿になって、六公が熊になって、乃公は
怪物
(
ばけもの
)
になった。その外
種々
(
いろいろ
)
余興があった。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
目鼻立
(
めはなだち
)
尋常
(
じんじょう
)
、
髭
(
ひげ
)
はなく、どちらかといえば
面長
(
おもなが
)
で、
眼尻
(
めじり
)
の
釣
(
つ
)
った、きりっとした
容貌
(
かおだち
)
の
人
(
ひと
)
でした。ナニ
歴史
(
れきし
)
に八十
人力
(
にんりき
)
の
荒武者
(
あらむしゃ
)
と
記
(
しる
)
してある……ホホホホ
良人
(
おっと
)
はそんな
怪物
(
ばけもの
)
ではございません。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
つづけさまに、電話は、生きた
怪物
(
ばけもの
)
みたいに震鈴していた。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遥々
(
はるばる
)
我を頼みて来し、その心さえ浅からぬに、
蝦夷
(
えぞ
)
、松前はともかくも、箱根以東にその様なる
怪物
(
ばけもの
)
を
棲
(
すま
)
せ置きては、我が職務の恥辱なり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一体
(
いったい
)
怪物
(
ばけもの
)
と云えば不思議なもので世間にあまり類と真似の無いもののようだが、よく考えてみるとこの世の中にありとあらゆるものは皆
怪物
(
ばけもの
)
になる
大きな怪物
(新字新仮名)
/
平井金三
(著)
支那の
怪物
(
ばけもの
)
………私は例の好奇心に促されて、一夜を
彼
(
か
)
の空屋に送るべく決心した。で、
更
(
さら
)
に
委
(
くわ
)
しく
其
(
そ
)
の『
鬼
(
き
)
』の有様を
質
(
ただ
)
すと、
曰
(
いわ
)
く、半夜に
凄風
(
せいふう
)
颯
(
さっ
)
として至る。
雨夜の怪談
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『
叔父
(
をぢ
)
さん/\、
獅子
(
しゝ
)
なんかの
方
(
ほう
)
では、
屹度
(
きつと
)
私共
(
わたくしども
)
を
怪物
(
ばけもの
)
だと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
るんでせうよ。』と
叫
(
さけ
)
んだが
全
(
まつた
)
く
左樣
(
さう
)
かも
知
(
し
)
れぬ
暫時
(
しばし
)
は
其處此處
(
そここゝ
)
の
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
かくれに、
脊
(
せ
)
を
高
(
たか
)
くし
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
顔の色も
最早
(
もう
)
真蒼
(
まっさお
)
になっていたので、二人ながら
大笑
(
おおわらい
)
しながら、それからは無事に家に帰ったが、
如何
(
いか
)
にも、この
家
(
うち
)
というのは不思議な所で、
後
(
のち
)
に近所で聞いてみると、
怪物
(
ばけもの
)
屋敷という評判で
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
歯の斜に
耗
(
へ
)
らされた古下駄を穿いて、ぶらりとこの
怪物
(
ばけもの
)
屋敷を出た。
百物語
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
(
怪物
(
ばけもの
)
!)と云うかと思うと、ひょいと立って、またばたばたと
十足
(
とあし
)
ばかり、駆戻って、うつむけに突んのめったげにござりまして、のう。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
成程
(
なるほど
)
地球の引力で物が下に
静
(
じっ
)
としているのだが、もし地球の運転が逆になったら
反
(
かえ
)
って宙を飛ぶのが並のもので下に
静
(
じっ
)
としているのが
怪物
(
ばけもの
)
になるかも知れない。
大きな怪物
(新字新仮名)
/
平井金三
(著)
而巳
(
のみ
)
ならず、
其
(
その
)
附近にはローマンケーヴと昔から呼ばれている岩穴が有る。それや
是
(
これ
)
やを綜合して考えると、賊はピキシーと云う
怪物
(
ばけもの
)
でも何でも無い、
恐
(
おそら
)
く古代の羅馬人であろうと鑑定した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「まあ、滝の家のお姉様、どうぞこちらへ。……まあ、御全盛な貴女様が、こんな
怪物
(
ばけもの
)
屋敷見たような処へ、まあ、どうした風の吹廻しで。」
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
謹むのではない笑うので、キャッキャックックッ、
各自
(
てんでん
)
があっちこっち、中には奥へ駆込んで転がるまで、
胡蝶
(
ちょうちょう
)
と
鸚鵡
(
おうむ
)
が笑う
怪物
(
ばけもの
)
屋敷の奇観を呈する。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
盗人
(
ぬすっと
)
でも封印のついたものは切らんと言います。もっとも、
怪物
(
ばけもの
)
退治に持って見えます刃物だって、自分で抜かなければ別条はないように思われますね。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
またこの
橿原
(
かしわばら
)
というんですか、山の
裾
(
すそ
)
がすくすく
出張
(
でば
)
って、大きな
怪物
(
ばけもの
)
の土地の神が海の方へ向って、天地に開いた口の、奥歯へ
苗代田
(
なわしろだ
)
麦畠
(
むぎばたけ
)
などを、
引銜
(
ひっくわ
)
えた形に見えます。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
こりゃ眉毛に
唾
(
つば
)
じゃ。貴辺も一ツ穴の
貉
(
むじな
)
ではないか。
怪物
(
ばけもの
)
かと思えば美人で、
人面瘡
(
にんめんそう
)
で天人じゃ、地獄、極楽、
円髷
(
まるまげ
)
で、山賊か、と思えば重箱。……宝物が鮎の鮨で、荘河の名物となった。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“怪物”の意味
《名詞》
得体の知れないまた怖い生き物。化け物。
(比喩的)能力が飛びぬけて優れている人。
(出典:Wiktionary)
怪
常用漢字
中学
部首:⼼
8画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“怪物”で始まる語句
怪物共
怪物輿論
怪物件
怪物狩
怪物談