“胡蝶”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
こちょう74.5%
こてふ15.7%
ちょうちょう5.9%
ちょう2.0%
てふ/\2.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
偃蹇えんけんとして澗底かんていうそぶく松がには舞い寄る路のとてもなければ、白き胡蝶こちょうは薄き翼を収めて身動きもせぬ。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
……が、またひるがえってさっと揚羽。輝く胡蝶こちょうの翼一尺、ひらめく風に柳を誘って、白い光も青澄むまでちりを払った表二階。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蜂鳥はちどりや、はちや、胡蝶こちょうつばさをあげて歌いながら、あやのような大きな金色の雲となって二人の前を走って歩きました。
若衆歌舞伎十二枚のうち、江戸屋江戸五郎胡蝶こちょう物狂いの図と、彫り書きの見える一枚刷りの大にしき絵の前に、供え物のごとくに置かれてあるのです。
右門捕物帖:23 幽霊水 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
憲一は急いで門から離れようとした。と、少女は庭へおりてそこにあった草履ぞうり穿くなり、胡蝶こちょうの飛ぶようにひらひらと駆けだして来た。
藤の瓔珞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
近く例を探らんに、春のやのいも背鏡せかゞみ、細君、美妙斎の胡蝶こてふ、紅葉の色懺悔いろざんげ及び鴎外の舞姫等皆な罪過あるなり。
罪過論 (新字旧仮名) / 石橋忍月(著)
たのしみは春秋はるあき園生そのふはな、ならば胡蝶こてふになりてあそびたしと、とりとめもなきことひてくらしぬ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それもゆめか、胡蝶こてふつばさかいにして、もゝ花菜はなな乘合のりあひぶね
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
花園の胡蝶こてふをさへや下草に秋まつ虫はうとく見るらん
源氏物語:24 胡蝶 (新字新仮名) / 紫式部(著)
釣鐘にとまりて眠る胡蝶こてふかな
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
小松原には、昼顔の花が一面に咲いて、なぎさの浪の千種ちぐさの貝にひるがえるのが、彩色した胡蝶ちょうちょうの群がる風情。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
謹むのではない笑うので、キャッキャックックッ、各自てんでんがあっちこっち、中には奥へ駆込んで転がるまで、胡蝶ちょうちょう鸚鵡おうむが笑う怪物ばけもの屋敷の奇観を呈する。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
黒表紙にはあやがあって、つやがあって、真黒な胡蝶ちょうちょう天鵝絨びろうどの羽のように美しく……一枚開くと、きらきらと字が光って、細流せせらぎのように動いて、何がなしに
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
世はいくさでも、胡蝶ちょうが舞う、撫子なでしこ桔梗ききょうも咲くぞ。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
桔梗 花も胡蝶ちょうもお気に入って、お嬉しいんでございましょう。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二時やつさがりに松葉まつばこぼれて、ゆめめて蜻蛉とんぼはねかゞやとき心太ところてんおきなこゑは、いち名劍めいけんひさぐにて、打水うちみづ胡蝶てふ/\おどろく。
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)