“鍛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きた74.6%
19.5%
きたえ1.7%
うち0.8%
きたう0.8%
きてえ0.8%
0.8%
0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いったい、おまえは私に似て情熱家肌の純情屋さんなのに、よくも、そこをこらえて、現実に生きる歩調に性情をきたえ直そうとした。
巴里のむす子へ (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
金重のった鋏はジョキリと一鋏で真直まっすぐに剪れるので大層に行われました。金重は六十五になりますが、無慾な爺さんでございます。
刃物のきたえ生鉄なまくらで、刃は一度で、中じゃくれに曲ったのである。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「変だな。出物だと申したが、地金じがねが匂う。まだ金いろも生新しいのみか、うちは上手だが、片切かたきりのまずさ」
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
我友竹村黄塔こうとうきたう)は常に眼をここに注ぎ一生の事業として完全なる一大字書を作らんとは彼が唯一の望にてありき。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
おらア一つ鎌をもうけたが、是を見な、古い鎌だがきてえいと見えて、研げば研ぐ程よく切れるだ、全体ぜんてえ此の鎌はね惣吉どんの村に三藏という質屋があるとよ、其家そこが死絶えて仕舞ったから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
山頬やまぎわの細道を、直様すぐさまに通るに、年の程十七八ばかりなる女房にょうぼうの、赤き袴に、柳裏やなぎうら五衣いつつぎぬ着て、びんふかぎたるが、南無妙。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)