“きた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キタ
語句割合
53.2%
14.8%
9.4%
7.9%
5.2%
5.1%
喜多1.0%
0.5%
北町奉行所0.2%
北番所0.2%
(他:19)2.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その不愉快さのうちには、お秀を通して今後自分達の上にきたされそうに見える葛藤かっとうさえ織り込まれていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だから私の有する知識とは、要するに私の過去を整理し、未来に起りきたるべき事件を取り扱う上の参考となるべき用具である。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
むすめは、きたさむくにかえってからもおもして、なつかしむにちがいありませんでした。
気まぐれの人形師 (新字新仮名) / 小川未明(著)
次第しだいみなみきた兩極りようきよくちかづくにしたがつて、くさすくなくなり
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
それを合圖に右から出て來たのは、一座の太夫玉川權之助、三十前後のこれは小作りではあるが、鐵できたへたやうな男でした。
まへいかりを蒙古まうこあらしきたえ、鞍山あんざん溶鉱炉ようこうろかしめ!
然し、ぼくはきたならしい野郎ですから、東京に帰ってどんなに堕ちても、かまいませんが、おふくろが、——たまらんです。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
いかに逡巡しりごみをするほどのきたならしいものでも、一度皮切りをやると、あとはそれほど神経にさわらずに食えるものだ。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
刻一刻こくいつこくちかづききた喜劇きげきむかつて、橄欖島かんらんたうぼしき島影しまかげ
れが公爵夫人こうしやくふじんともなきたつたときに、それがまつたせてました
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
かずは懷の福神漬を出したんだけど、若菜さんは、そんなお腹ん中でこぼれた物なんかきたなくて喰べられないつて言ふの。
梅龍の話 (旧字旧仮名) / 小山内薫(著)
「お前だね、この妖女ウェーヂマめ、あのひとに霧を吹つかけて、きたない毒を呑ませて、あのひとを銜へこみくさつたのは!」
宝生ほうしょう喜多きたなどいふ仕手しての五流は勿論、わきの諸流も笛、つづみ、太鼓などの囃子方に至るまで
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
米原まいばら北陸線ほくりくせん分岐道ぶんきだうとて、喜多きたにはひとり思出おもひでおほい。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これをきたえ直して造った新しい鋭利なメスで、数千年来人間の脳の中にへばり付いていたいわゆる常識的な時空の観念を悉皆しっかい削り取った。
アインシュタイン (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
先祖以来、田螺たにしつっつくにきたへた口も、さて、がつくりと参つたわ。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
なことを申すの。戦場の駈けひきは、あらかじめ十分にはかるにある。北町奉行所きたとても、そのへん、ぬかりなく手をつくしているであろう。いわば、お互いのこと。うしろ暗いことなどいささかもあるまい」
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
しかし、なんとしても、こんどばかりは負けられぬ。……万一北町奉行所きたに出しぬかれるようなことになったら、それこそ一代の不面目ふめんもく。月番奉行の役柄の手前、のめのめと職にとどまっているわけにはゆかぬ、お役御免をねがうつもり。……どうだ、藤波、勝算しょうさんがあるか。
肩を押えたのは、北番所きたの土州屋伝兵衛。足を掴んだのは、南番所みなみ戸田重右衛門とだじゅうえもんだった。
象のそばに寄って、じぶんの身体を柵にして、油断なく立構たちかまえているところへ、ドヤドヤと北番所きたの出役。
「若旦那、行きやしょう。——辰巳たつみで。へへへへ。吉原きたほうで。それとも、或いは、お手近で照降町?」
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吉原きた豪奢こうしゃの春のおごりもうれしいが、この物寂びたやしろの辺りの静かな茶屋も面白い。秋の遊蕩ゆうとうはとかくあまりケバケバしゅうないのがよい。のう、露月どの」
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
先祖以来、田螺たにしつッつくにきたえた口も、さて、がっくりと参ったわ。
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
このことは手仕事を忙しくさせ、またその技をきたえさせました。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
心の清き者(彼に心を清められし者)は天に挙げられしが如くにまた地にきたり給う聖子を見て聖父を拝し奉るのであろう(行伝一章十一節)。
破滅は又た幸福を里見の家にきたらせたるなり。
「由っちゃん、親切ありがとう……だけど俺もう、俺はもう前よかもっともっときたなくなっちまったんだよ……おまけに片足の跛足びっことくらア……ふっふっふ」
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
生家うち逃亡かけおちて、坑夫にまで、なりさがる決心なんだから、大抵の事に辟易へきえきしそうもないもんだがやっぱりきたないもののそばへは寄りつきたくなかった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
またその兄白日子しろひこの王に到りまして、ありさまを告げまをしたまひしに、前のごとおほろかに思ほししかば、黒日子の王のごと、すなはちその衣衿を取りて、引きて、小治田をはりだ一五來到きたりて、穴を掘りて、立ちながらに埋みしかば、腰を埋む時に到りて、二つの目、走り拔けてせたまひき。
「え、お葉だつて。あゝ、お葉ならよく知つてるよ。まあ北地きたでは二流と迄も行かないところだらうね。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
そのころの金持番付では三井の一枚上にいて、西の鴻之池こうのいけと張出横綱になっているほどな三谷総本家の一族で、斧四郎の通人ぶりは、辰巳たつみ北廓きたも、風靡ふうびしていた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
看病人を頼むのも、医者を心付けるのも、北里きたと、小石川の及腰およびごし瘠細やせほそるばかり塩気をって、生命いのちを縮めてもと念じあかした。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
宗谷きたの岬に浪立てば
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
うぞ一目逢って来度きたいと云って
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
隅「私ゃアね富さんじゃないかと思って、内々ない/\見世でう/\いう人じゃアないかというとうだというから、早く来度きたいと思うけれども、長ッちりのお客でねえ、今やっとけて来たの、本当に能く来たね」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ゴーゴリやツルゲーネフの洗礼を受けても魏叔子や陸宣公できたえ上げた思想がイツマデも抜け切らないで、二葉亭の行くべき新らしい世界に眼を閉ざさした。
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
いま無上むじやう愉快ゆくわいときだぞ、いま一層いつそうのぞみには、あらたきたへたこの速射砲そくしやほうで、彼奴等きやつらつくき海賊かいぞくども鏖殺みなごろしにしてれんに。』
彼が五尺の痩躯そうくきたなき木桶の中にありながら、しかも彼の心は飄悠へういうとして宇宙に高遊せり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
長門ながとは山陽の西陬せいすう僻在へきざいす、しこうして萩城連山のきたおおい、渤海ぼっかいしょうに当る。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)