“錬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
60.7%
れん17.9%
きた14.3%
なら3.6%
なれ3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
違棚の高岡塗は沈んだ小豆色あずきいろ古木こぼくの幹を青く盛り上げて、寒紅梅かんこうばいの数点を螺鈿擬らでんまがいり出した。裏は黒地にうぐいすが一羽飛んでいる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
先頭の大将は、と見れば、虎鬚とらひげさかさまに立ち、目は百れんの鏡にしゅをそそいだごとく、その叫ぶ声は雷にも似て一丈八尺の大矛をふり廻し
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これをきたえ直して造った新しい鋭利なメスで、数千年来人間の脳の中にへばり付いていたいわゆる常識的な時空の観念を悉皆しっかい削り取った。
アインシュタイン (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
これは駒ではないが、細工場でおもいつちをふるって、真赤に焼けた金をならすごとに、そのひのひびきに応じて土間ぐちに近く一本立っている桜の木から、雪のような白い花びらがヒラヒラ舞い落ちる。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
踊のなれで、身のこなしがはずんだらしい、その行く時、一筋の風がひらひらと裾を巻いて、板敷を花片はなびらの軽い渦が舞って通った。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)