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錬
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ね
ふりがな文庫
“
錬
(
ね
)” の例文
違棚の高岡塗は沈んだ
小豆色
(
あずきいろ
)
に
古木
(
こぼく
)
の幹を青く盛り上げて、
寒紅梅
(
かんこうばい
)
の数点を
螺鈿擬
(
らでんまがい
)
に
錬
(
ね
)
り出した。裏は黒地に
鶯
(
うぐいす
)
が一羽飛んでいる。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「葉子、お前決して失望してはいけないよ。ただあの原稿が少し奔放すぎるだけなんだよ。文章も今一と
錬
(
ね
)
り錬らなくちゃあ。」
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
とすると、
先祖
(
せんぞ
)
へはともかく、
友達
(
ともだち
)
の
顏
(
かほ
)
にかゝはる……と
膽
(
たん
)
を
廊下
(
らうか
)
に
錬
(
ね
)
つて
行
(
ゆ
)
くと、
女中
(
ぢよちう
)
に
案内
(
あんない
)
されたのは、
此
(
これ
)
は
又
(
また
)
心易
(
こゝろやす
)
い。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
畢竟
(
ひっきょう
)
南北相戦う、調停の事、
復
(
また
)
為
(
な
)
す能わざるの
勢
(
いきおい
)
に
在
(
あ
)
り、今に
於
(
おい
)
て
兵戈
(
へいか
)
の
惨
(
さん
)
を除かんとするも、五
色
(
しき
)
の石、聖手にあらざるよりは、之を
錬
(
ね
)
ること難きなり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ここに於てか諸君、余は奮然
蹶起
(
けっき
)
したのである。打倒蛸! 蛸博士を葬れ、然り、
懲膺
(
ちょうよう
)
せよ憎むべき悪徳漢! 然り然り。故に余は日夜その方策を
錬
(
ね
)
つたのである。
風博士
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
噂
(
うわさ
)
に聞けば大隈夫人綾子という人は、大層よく出来た人だとの評判であるが、なるほど、娘時代からあれだけの辛抱をして心を
錬
(
ね
)
っておられただけあって、今日天下一
幕末維新懐古談:51 大隈綾子刀自の思い出
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
機先を制して打ち殺せと、用意の
錬
(
ね
)
り
玉
(
だま
)
と云うのを手早く込めなおして、
著弾
(
ちゃくだん
)
距離になるのを待っていたが、少女はすこしも恐れるような気ぶりも見せず、平然として前へ来た。
女仙
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
しかれども真理は過敏の情性を
錬
(
ね
)
り無限の苦痛の中より無限の勇気を生ずるものなり、アナ、ハセルトン婦の死は宣教師ジャドソンをしてますます猛勇忠実ならしめたり、メリー
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
その理論の心憎いまでの実践との融合であろう! 彼が肝胆を砕いて
錬
(
ね
)
り上げ、もはや間然するところなしとまで考えて提出する意見が、根本的にくつがえされて返される時など
癩
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
土地に固着して、半兵半農で武を
錬
(
ね
)
つたところに、武士の本領があつたのである。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
後ろを振り向くと、下から
緑
(
みど
)
りの
滴
(
した
)
たる
束髪
(
そくはつ
)
の
脳巓
(
のうてん
)
が見える。コスメチックで
奇麗
(
きれい
)
な一直線を七分三分の割合に
錬
(
ね
)
り出した
頭蓋骨
(
ずがいこつ
)
が見える。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
詩人
(
しじん
)
も
此
(
これ
)
では、
鍛冶屋
(
かじや
)
の
職人
(
しよくにん
)
に
宛如
(
さながら
)
だ。が、
其
(
そに
)
の
煮
(
に
)
る、
鋳
(
い
)
る、
錬
(
ね
)
りつゝあるは
何
(
なん
)
であらう。
没薬
(
もつやく
)
、
丹
(
たん
)
、
朱
(
しゆ
)
、
香
(
かう
)
、
玉
(
ぎよく
)
、
砂金
(
さきん
)
の
類
(
るゐ
)
ではない。
蝦蟇
(
がま
)
の
膏
(
あぶら
)
でもない。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
武技を
錬
(
ね
)
らしめたのである。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
仮
(
かり
)
に、もし、
此
(
これ
)
を
煮
(
に
)
る
事
(
こと
)
、
鋳
(
い
)
る
事
(
こと
)
、
錬
(
ね
)
る
事
(
こと
)
が、
其
(
そ
)
の
極度
(
きよくど
)
に
到着
(
たうちやく
)
した
時
(
とき
)
の
結晶体
(
けつしやうたい
)
が、
衣絵
(
きぬゑ
)
さんの
姿
(
すがた
)
に
成
(
な
)
るべき
魔術
(
まじゆつ
)
であつても、
火
(
ひ
)
に
掛
(
か
)
けて
煮爛
(
にたゞ
)
らかして
何
(
なん
)
とする! ……
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
愁
(
うれい
)
を
溶
(
と
)
いて
錬
(
ね
)
り上げし
珠
(
たま
)
の、
烈
(
はげ
)
しき火には
堪
(
た
)
えぬほどに涼しい。愁の色は
昔
(
むか
)
しから黒である。
一夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
離れて
向
(
むかふ
)
に置いた大きな
虎
(
とら
)
の皮も其通り、
坐
(
すは
)
る
為
(
ため
)
の、設けの
座
(
ざ
)
とは受け取れない。絨氈とは不調和な位置に
筋違
(
すぢかひ
)
に尾を長く
曳
(
ひ
)
いてゐる。
砂
(
すな
)
を
錬
(
ね
)
り
固
(
かた
)
めた様な大きな
甕
(
かめ
)
がある。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
駒下駄
(
こまげた
)
で圧えても転げるから、
褄
(
つま
)
をすんなりと、白い足袋はだし、それでも、がさがさと針を
揺
(
ゆす
)
り、歯を
剥
(
む
)
いて
刎
(
は
)
ねるから、憎らしい……と足袋もとって、雪を
錬
(
ね
)
りものにしたような素足で
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それも丹念に塗りたくって、根気任せに
錬
(
ね
)
り上げた眼玉ではない。
一刷毛
(
ひとはけ
)
に輪廓を
描
(
えが
)
いて、眉と
睫
(
まつげ
)
の間に自然の影が出来る。
下瞼
(
したまぶた
)
の
垂味
(
たるみ
)
が見える。取る年が集って目尻を引張る波足が浮く。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
おほみそかは
大薩摩
(
おほざつま
)
の、もの
凄
(
すご
)
くも
又
(
また
)
可恐
(
おそろ
)
しき、
荒海
(
あらうみ
)
の
暗闇
(
やみ
)
のあやかしより、
山寺
(
やまでら
)
の
額
(
がく
)
の
魍魎
(
まうりやう
)
に
至
(
いた
)
るまで、
霙
(
みぞれ
)
を
錬
(
ね
)
つて
氷
(
こほり
)
を
鑄
(
い
)
つゝ、
年
(
とし
)
の
瀬
(
せ
)
に
楯
(
たて
)
を
支
(
つ
)
くと
雖
(
いへど
)
も、
巖間
(
いはま
)
の
水
(
みづ
)
は
囁
(
さゝや
)
きて、
川端
(
かはばた
)
の
辻占
(
つじうら
)
に
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小林の筋の運び方は、少し
困絡
(
こんがら
)
かり過ぎていた。お延は彼の
論理
(
ロジック
)
の
間隙
(
すき
)
を突くだけに頭が
錬
(
ね
)
れていなかった。といって無条件で受け入れていいか悪いかを見分けるほど整った脳力ももたなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
思
(
おも
)
ひつゝ、
視
(
み
)
つゝ、
惑
(
まど
)
ひつゝ、
恁
(
か
)
くして
錬
(
ね
)
るのは
美人
(
びじん
)
である。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
錬
常用漢字
中学
部首:⾦
16画
“錬”を含む語句
錬金術
鍛錬
錬稠
不鍛錬
錬磨
百錬
手錬
錬鉄
未錬
錬金術師
諳錬
錬炁
錬冶
錬瓦
錬行
錬術場
錬込
錬達
錬金學者
錬金抒情詩
...