“先祖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せんぞ86.5%
さきおや2.7%
せんそ2.7%
おおおや2.7%
おや2.7%
とおつおや2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日本にほんのむかしの武士ぶしで一ばんつよかったのは源氏げんじ武士ぶしでございます。その源氏げんじ先祖せんぞで、一ばんえらい大将たいしょうといえば八幡太郎はちまんたろうでございます。
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
最後の後裔もの現世うつしよにて、未だ曾て類ひなき極悪人たらしめて、彼の重ねる悪業の、一つ一つに先祖さきおやの亡霊どもがひつぎの中で安息を掻き乱され、娑婆では知られぬ苦悩を忍び
姓名だの紋章だのは、先祖せんそからけて子孫に伝える大切なものである。みだりかくしたりあらためたりすべきものではない。そんな事をしなくては出来ぬ奉公なら、せぬがいといったのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「つつしみつつしみて申す。わが先祖おおおやここに地下ちのした黄金こがねを埋ずめ給いてより、梵天帝釈ぼんてんたいしゃく、天の神、地の神、暗の財宝たからを守り護り給うて……つつしみつつしみて申す」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
大学だいがくかみに尋ねた。大学の頭ですらも。それから守は宗教に志し、渋谷の僧に就いて道を聞き、領地をばをひに譲り、六年目の暁に出家して、飯山にある仏教の先祖おやと成つたといふ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「酔ひたる者と問答無益し、ただ一噬み」ト寄らんとすれば、黒衣は慌しく松の幹にすがりつつ、「こは情なの犬殿かな。和殿も知らぬことはあるまじ、わが先祖とおつおや巌上甕猿いわのえのみかざるは。 ...
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)