“地下”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じげ45.8%
ちか18.8%
ヂゲ10.4%
ちげ6.3%
ぢげ6.3%
した4.2%
じか2.1%
じびた2.1%
ちのした2.1%
ツチノシタ2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
徳政とやら申すいまわしい沙汰さたも義政公御治世に十三度まで行われて、倉方も地下じげ方もことごとく絶え果てるばかりでございます。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
地震計ぢしんけいもつ觀察かんさつすると、かういふ地下ちかはたらきの所在地しよざいちわかるから、それからして岩漿がんしよう貯藏ちよぞうされてゐる場所ばしよふかさが想像そう/″\せられる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
炉を焚くことの少い此ヘンでは、地下ヂゲ百姓は、夜は真暗な中で、寝たり、坐つたりしてゐるのだ。でもこゝには、本尊が祀つてあつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
いわんや、極端な門閥と、世襲官職を、絶対視して、貴族の専横政治が、何百年とつづいて来た下には、地下ちげの意力が、動き出さずにおりません。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
講日には公卿方出座にて、講師菅家・清家および地下ぢげの儒者あひ混ずるなり。しからばこの基によりて、さらに斟酌を加へば幾等も妙策あるべし。
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
さて、それから、彼女は、ひらりと、地下したへ下りた。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
えりに「丸市まるいちマーケット」と白くそめぬいた赤いはんてんを着て、地下じかたびで足ごしらえをしたすがたは、いつもとまるでようすはちがっていたが、自分の母親を見あやまるはずはなかった。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
狼狽まごついて、地下じびたをひらひらと飛び廻わッていた,が、あわや「コロ」の爪にかかりそうになッた。
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
「つつしみつつしみて申す。わが先祖おおおやここに地下ちのした黄金こがねを埋ずめ給いてより、梵天帝釈ぼんてんたいしゃく、天の神、地の神、暗の財宝たからを守り護り給うて……つつしみつつしみて申す」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
誠あれば、地下ツチノシタにて鳴く虫の声も 雲井にひゞくなりけり
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)